フェアリィ・ダンス編
第37話目覚めぬ家族
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なんだよコレ?」
「・・・VRMMORPG、《アルヴヘイム・オンライン》。それを機動するためのデバイス、《アミュスフィア》だ」
「V・・・!?まだVRMMOなんてあったのか!?」
「だからりゅーちゃんに隠してたのよ・・・」
なるほど、そりゃオレに見つかりたくない訳だ。現にオレはVRMMOにーーー《ソードアート・オンライン》にいたんだから。
《アルヴヘイム・オンライン》ーーー北欧神話をモチーフにしたゲーム。それを遊ぶために作られたのがこの《アミュスフィア》。あのイカれた世界をまた作り出したのはーーー《レクトプログレス》?よくもまあこんな物作ってくれたなーーー
「二人が隠してた理由がよく分かった。遊びたくて買ったんなら好きにすればいい・・・」
「竜?お前どこ行くんだ?」
「見舞いだよ。その後墓参り」
「・・・いってらっしゃい」
オレはあの世界はもう見たくねぇ。だからあの《アミュスフィア》と《アルヴヘイム・オンライン》ーーー通称《ALO》を父さんに押し付けて出掛けに行く。今日はまだいってないからなーーー
******
実を言うと、SAOから全員が生還出来た訳じゃない。ゲームクリアの後、入院中だったSAOプレイヤーのほとんどが目を覚ましたーーーそう、ほとんどが。実は現実に戻れていないプレイヤーがいる。その人数、約300人。その中には、アスナさんがーーー本名、結城明日奈さんもいる。オレがSAOで出会った戦友も、未だ現実に意識を覚醒しない。その300人の中にはーーー
「よう、来たぜ・・・ったく。ただ寝てりゃ可愛い妹なんだけどな・・・ホントにそうだぜ?未来」
未来でさえも現実世界に戻って来なかった。SAO事件は、まだ終わってはいなかったーーー
「・・・本当に全員ログアウトしたのかよ?茅場」
世間では、今なお行方不明の茅場晶彦による陰謀だと騒がれている。最後は敵として戦ったオレとしては少なくともーーー茅場晶彦は約束を破る人間ではなかった。あいつはあの時、自分を倒せば全プレイヤーをログアウトさせると言っていた。そしてオレは茅場に勝利し、今この現実世界に生きている。約束を守るつもりがなかったのなら、今もオレ達はSAOにいるはずだ。ごく一部のプレイヤーを残して世界を崩壊させるなんてーーーどうしてもあいつがそんな事をするとは思えない。
「未来お前・・・なんでそんなに肌キレーなんだよ?オレなんてじーさんみたいになってたぜ?・・・「女だから」とか言わせねーぜ」
なんでだろうーーーすごく、すごく虚しい。目の前に妹がいるのに、会話を交わせない。どんなに喋っても返事は来ない。オレが一方的に喋ってるだけ。兄妹の会話ってーーーこんなにおか
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