四十五話:王の翼
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はない。そう自分に言い聞かせギンガは軽く自身の頬を叩くのだった。
「みなさん降下ポイントに着きました!」
「じゃあ、行くわよ、みんな!」
『はい!』
ヘリから飛び降り四人は遂に戦場最前線に立つ。彼らの役目は地上本部に攻め込んでくる戦闘機人の撃退、もしくは時間稼ぎだ。数の上ではこちらが圧倒的に上であるがそのうちまともに戦闘機人及びガジェットと渡り合えるのは自分達しかいない。
その自分達ですら知らない能力を持っている個体がいるのだ。とにかく粘りに粘って情報を収集し後ろの防御陣に伝えるのが最低限の仕事だ。相手もそれは分かっているだろうがやり遂げるしか道はない。
「中央に向かって伸びるこの道を通ってくる可能性が高い……って言っている傍から来たわね」
「全員、ここを通さないことを最優先にしなさい。別の方に敵が向かっても無視。他の隊の人に任せるわよ」
「大丈夫なんですか、それで?」
「私達にできることをする。手を広げ過ぎても失敗するだけよ。それに、こういう時は信用しあうものよ」
遠くに戦闘機人の影を見とめ、四人の中で最も位が高いギンガが必然的に指示を出す。何とも大雑把な計画に大丈夫かとエリオが尋ねるがギンガの言うように四人でできることは限られている。相手の全ての行動に対処することはできない。
ならば最初からできることを絞ればいい。人間は小さな手の届く範囲でしか物事を行えないのだ。切嗣や最高評議会にとっては皮肉になるであろう指示にもエリオは納得しストラーダを構える。そして、戦闘機人達の顔を改めて見たところで驚愕に目を見開く。
「あれって……」
「うそ……でしょ?」
「そんな……」
彼女達に目に映ったのは四人の戦闘機人。以前に地下通路で襲ってきたノーヴェとウェンディ、さらに六課を壊滅させた元凶の一人ディード。そして最後に一人見覚えのある顔立ちに装備。ただ一つ違うのはその瞳。どこか機械的であった青い瞳が今は完全なる機械を思わせる黄金の瞳へと変わっている。しかしながら彼女は見間違えない。間違いなくその人物は―――
「ス…バル…?」
スバル・ナカジマ、ギンガにとって最愛の妹に他ならないのだから。
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