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八神家の養父切嗣
四十五話:王の翼
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「とにかくあれをどっかに連れてくのが相手の目的やろうから、何が何でも止めな」

 ゆりかごの軌道はこちらや首都に向かって攻めに来ているというよりは空に向かって高く飛んでいるというのが正しい。ゆりかごの情報は今無限書庫のユーノとアルフが急ぎ調べてくれているところだ。しかし、あれを目的地に到着させてはならないということだけは自身の勘が嫌な程教えてきていた。

「すぐに六課からも戦力を投入するしかないなぁ」
【教会の方からも準備ができ次第応援を派遣します】
「ありがとうな。それじゃあ、状況が進展次第連絡するわ」
【はやて、こちらクロノ。至急連絡したいことがある】

 カリムとの通信が終わると入れ替わるように今度はクロノから通信が入る。いつもの戦闘服を着ていることからクロノも危険を感じ取り既に臨戦態勢に入っていることが伺える。

【先程確認されたロストロギアを見て本局も重い腰を上げた。直に次元航空艦隊がそちらに到着する】
「宇宙空間内で一斉攻撃をするわけやね?」
【ああ、その予定だ。しかし……問題は間に合うかどうかだ】

 クロノが画面の向こう側で難しそうに顔をしかめる。次元航空艦隊からのアルカンシェルの一斉砲撃を食らえば如何にロストロギアといえどひとたまりもないだろう。しかしながらそれは射程距離に入る前に逃げ切られないという前提の下だ。

 当然のことながら相手はこのことを察知している。さらにゆりかごには二つの月の魔力を浴びることでその防御力を爆発的に増幅させたという伝承が残っている。先に月の軌道上に乗られれば最悪の場合如何なる攻撃も防がれる可能性があるのだ。

【三提督が纏めてくれているおかげでこれだけの規模でありながら最速でそちらに向かっているんだが……恐らくはゆりかごの方が速いだろうな】
「……つまり私達は何とかしてゆりかごを止める。もしくは遅らせればええんやね?」
【そうだ。六課及び地上部隊には極度の負担を強いることになるが……頼むぞ】
「了解や。六課の底力、見せたる」

 クロノとの通信を切ると共にはやては素早く指示を出していく。敵の主戦力である戦闘機人は地上を守るために建設中であったアインヘリアルを破壊している最中。恐らくは終わり次第に地上本部もしくはミッド中央街に攻めてくるだろう。

 相手の全容が分からない以上はどこに戦力を割り振ってくるかまでは分からない。そのためはやてはできるだけ戦力を分け、尚且つバランスが良くなるように六課の面々に配置を考えていく。そして決定すると自身も共に戦場に赴くために隊員達が控えている会議室に足早で向かっていく。

「みんな、状況は頭に入っとる?」
『はい!』
「なら、ゆりかごには私となのはちゃんとヴィータが行く。地上ミッド中央の防衛戦にはフォワード三
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