外伝〜重剣の決意〜
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜???〜
「…ねえ、お兄ちゃん…………。…………お兄ちゃんってば………………。えへへ、今度のお誕生日、楽しみにしててね?お兄ちゃんが喜びそうな物をプレゼントしてあげるから♪」
赤毛の少女が自分の兄である自分と同じ赤毛の少年に嬉しそうな表情で言った。
「へえ……。オレが喜びそうな物ねぇ。なんか美味いご馳走でも作ってくれるのかよ?」
「も〜、なんでそうなるのよう。お誕生日プレゼントっていったら形が残る物に決まってるじゃない。」
少年の答えを聞いた少女は頬を膨らませて答えた。
「そういうもんか?うーん、形が残ってオレが喜びそうな物……。狩りに使えるナイフとか。」
「ナイフは村長さんからもらったばかりでしょー。答えは、わたしの手造りのアクセサリーでーす!まだ完成してないんだけどね。」
「ちょ、ちょっと待てよ!アクセサリーって女じゃねえんだからさぁ。」
少女の話を聞いた少年は慌てた様子で言った。
「もー、お兄ちゃん、遅れてるんだからぁ。男の子だってワンポイントアクセサリーを付けたらとってもオシャレなんだよ?ぶあいそーなお兄ちゃんでもモテモテ間違いなしなんだから♪」
「あのなぁ……」
からかうような表情の少女の答えに少年は呆れて溜息を吐いた。
「……ダメ、かなあ?わたし、いつもお世話になってるお兄ちゃんにお礼がしたくて……。一生けんめい作ってるだけどな……」
「うぐっ……。カ、カワイイのとか派手なのじゃねえだろうな?」
少女の嘆願する表情を見た少年は言葉を詰まらせた後、尋ねた。
「えへへ、心配ご無用よ。お兄ちゃんにも似合うようなシンプルでカッコイイ形だから。お兄ちゃん、背が高いし、すっごく似合うと思うんだぁ。」
「あー、分かった分かった。せいぜい楽しみにしてるから頑張って造ってくれよな。」
嬉しそうにしている少女を見た少年は苦笑しながら言った。
「えへへ……うんっ!ね、アガットお兄ちゃん。」
「なんだ、ミーシャ?」
「いつもいつも、ありがとう。わたしのことを守ってくれて……」
少女――ミーシャが少年――アガットに笑顔を見せたその時、アガットは目覚めた。
〜ラヴェンヌ村・アガット宅・夜〜
「あ…………夢、か。ここは……」
目を覚ましたアガットは周囲を見渡した。
「……うん、こんなものかな。」
その時少女の声が聞こえた。
「ミーシャ……?」
アガットが声がした方を見ると
「アガットさん!?よかった……目を覚ましたんですね!?」
台所で料理を作っていた声の主――ティータが嬉しそうな表情でアガットに近づいて来た。
「チビスケ……」
「あのあの、身体の方
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ