第66話
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うから………」
「……はい。おっしゃる通り、ホテルもそうですが、各宗教の教会施設――七曜、イーリュン、アーライナ教会にも家を焼かれた市民がいる状態です。」
ティアの説明を聞いたメイベルは真剣な表情で頷いて答えた。
「今日はもう遅いですし、ロレントからはるばる歩いて疲れていらっしゃいますでしょうから、今日はお休みになって、明日からお願いいたします。」
「……私達の方は構いませんが………命に関わるような傷を負っている方達はいらっしゃいますか?もしいらっしゃったら、今から私が治療しますが………」
「………いえ。ボース市民、ラヴェンヌ村民共に命に関わるような怪我は負っていませんので、大丈夫です。」
「………そうですか。それはよかったです………」
メイベルの説明を聞いたティアは安堵の溜息を吐いた。
「それより先ほど、街道で野営の準備をしているとおっしゃったが……大丈夫ですかいの?よければ、エステル達を夜の警護に当たらせますが。」
「そうね。ティアさんやイーリュンの人達は戦えないものね。」
「この人数ならさっきの手配魔獣を倒すときみたいに、何チームかに分けての仮眠を取っての交代も可能だし、大丈夫よ。」
ルグランの提案にエステルは頷き、シェラザードは具体的な提案を言った。
「ハハ、爺さん達の心配は無用だぜ。」
「フフ、そうですね。」
「ジンさんと姫殿下の言うとおり、わざわざボク達が警護する必要はないよ♪なんたって、エステル君とミント君がいるんだから♪」
それを聞いたジンは笑い、クローゼは微笑み、オリビエは頷いた。
「へ?それってどういう事………?ミント、オリビエの言っている事ってどういう意味かわかる??」
「え、え〜と…………ミント達と一緒に来たらわかるよ、ママ。」
「??あれ………そういえばミント。なんで今、そのマントを付けているの?」
ミントの言葉に首を傾げたエステルはミントが羽織っている”ルーハンス”家の紋章が描かれた白銀のマントを見て尋ねた。
「フフ………実際に街道に行ったらわかるよ、エステル。」
訳がわからない様子のエステルにリタは微笑んで言った。
「あ、それとママ。一応、ママもアリアさん達から貰ったマントや髪飾りを付けてね。」
「なんで??」
「あ、あはは………行ったら、わかるよ………」
エステルに尋ねられたミントは引きつった笑みを浮かべて答えた。
そしてエステルはミントの言うとおり”ファラ・サウリン”家の紋章が描かれたマントを荷物から出して羽織り、またグラザからもらった髪飾りも付け、仲間達と共に東ボース街道に向かうと驚くべき光景を目にすることになった………………
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