第66話
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言った。
「フフ……無理などしてませんわ。『百日戦役』の時、父はあらゆる手段を用いてボース市民を守り抜きました。時には、エレボニア軍を騙すような危険な取引も行ったそうです。その時と較べたら……大したことはしてませんから。」
「市長さん……」
メイベルの決意を知ったエステルは尊敬した様子でメイベルを見続けた。
「エステルさん、皆さん。どうかよろしくお願いします。ボース市民とラヴェンヌ村の方々の不安を取り除いてあげてください。」
「うん……まかせて!」
メイベルに頼まれたエステルは首を縦に振って頷いた。
「ただいま〜!」
その時ロレントに向かったミント達がギルドに戻って来た。
「あ、ミント。それにみんなも!お帰りなさい!」
「イーリュンの信者達の護衛は無事、終えたのかの?」
戻って来たミント達を見てルグランは尋ねた。
「……はい。皆さんのお蔭で、私を含めたイーリュンの信徒の方達は無事、ボースに到着しました。」
その時、ミント達の後ろからティアが姿を現した。
「ティアさん!」
「フフ……こんなにも早く再会するとは思いませんでした。エステルさん。」
ティアの登場にエステルは声を上げ、ティアは微笑んでエステルを見た後、ルグランやメイベルを見て会釈した。
「………初めまして。ゼムリア大陸でのイーリュン教の神官長を務めさせて頂いている、ティア・M・パリエと申します。」
「なっ!?い、”癒しの聖女”………!こ、これはご丁寧に………遊撃士協会・ボース支部の受付のルグランと申します。まさか”癒しの聖女”殿に会えるとは思いもしませんでした。」
「………ボース市長、メイベルと申します。……この度はお忙しい中、ボースの傷ついた市民達の為に来ていただき、真にありがとうございます、”聖女”様。」
ティアに会釈されたルグランはティアの名前を聞いた後、恐縮した様子で会釈をし、メイベルは貴族に対する上品な作法で会釈した。
「………傷ついた方達を癒すのが私達の役目ですから、気にしないで下さい。………それと、できれば”聖女”ではなく、どうか気軽に”ティア”とお呼び下さい。………正直、”聖女”という呼び名は私にとっては恐れ多く、今でも慣れていない呼び名ですので………」
メイベルに答えたティアは恥ずかしそうな表情で微笑みながら言った。
「フフ……それならお言葉に甘えて、今後は名前で呼ばさせていただきますわ。」
ティアの頼みを聞いたメイベルは上品に笑って頷いた。
「………現在、信徒の方達は東ボース街道にて野営の準備をしている最中です。………今のボースの状況ですと、宿泊施設は勿論の事、イーリュン教の教会も火事になった方達の避難場所になっているでしょ
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