暁 〜小説投稿サイト〜
宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第二部
狩るということ
じゅうはち
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メット内でヤツをロックオンしてプラズマキャスターを乱射する。

 1発、2発、3発。

 ヤツはでたらめな軌道を描いて避けていく。

 まあ、このプラズマキャスターを視認してから避けることができる時点で、空中でもそれなりの機動力と運動性能は持っているようだが、こちらの弾数は無制限である。

 4発目は余裕の欠片もなく避け、5発目がヤツの左腕を吹き飛ばし、六発目が右足の太ももから下を焼き払った。

 フラフラと下降しながらも跳び続けようとするメスの個体にシュリケンを投げつけ、それは狙い通りにヤツの左複眼へと、吸い込まれるように突き刺さった。

 女性は痛みに強いとは言うが、そこでメスの個体はやっと叫び声を上げ、落下していく。

 それと同時に地を蹴った私は、地面に落ちるタイミングに合わせて跳躍する。

 こちらを早期に警戒しようと、いままで私が立っていた場所に視線をやったのは褒めよう。しかし、既に私の体は地面からは離れているため、一瞬ヤツの視界から消えることとなった。
 既に背中に差してあった2段階伸縮式のツインブレードは私の右手の中で展開を終えおり、勢いそのまま、落下の力に自身の力を乗せ、すれ違い様に甲殻の薄い首筋へ一閃。

 まるで包丁で豆腐を切るように何の抵抗も感慨もなく、ツインブレードの冷たい刃はヤツの首を斬り飛ばした。

 既に癖になっている要領で、ぐるりとツインブレードを片手で回し、形だけヤツの体液を払う仕草を行う。

 昆虫類の生命力は凄まじく、特ゴキブリは嘘か本当か、首を切り落としたとしても数日は生きているという。しかも、その後息を引き取る理由は“餓死”だというではないか。
  
 私は斬り飛ばした頭部へと歩みを進めながら、ツインブレードを縮めて背中に戻すと、地面に接吻をしているその顔を蹴ってこちらへと向けさせる。

……あまり見たいものではないが、やはりというか、このメスはまだ息があるようだ。

 そこに、伸ばしたリストブレイドで串刺しにして完全に脳を破壊、更に数発、ガサガサと地面でのた打つ胴体へとプラズマキャスターをお見舞いする。特に腹部を重点的に焼き払っておかねばなるまい。

 リストブレイドを縮めれば、ずるりと滑った頭部が地面へと転がった。

 いまだ痙攣を続けるヤツの口元を一瞥し、私はぐるりと首を回した。

 
 
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