暁 〜小説投稿サイト〜
宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第二部
狩るということ
じゅうはち
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 脅威として認識されていないのか、はたまた食事に夢中でいまは思考の外に追いやられているのかは分からないが、随分とマイペースなものである。

 取り敢えず、小手調べとして私は両手にシュリケンを持ち、展開させて投げつける。
 回転しながら猛スピードで迫る2枚のシュリケンより少し遅れて、再度もう1枚を投げ付けた。
 それなりの巨体だ。どう左右に避けても当たることを計算に入れてあり、自ずと回避する方向は絞られてくる。つまり、上か下か、その何れかでしか私の投げ放ったシュリケンを避けることは不可能といえた。
 先も言った通り、ヤツの体の大きさなどを考えれば上に逃げるしか手段はないだろう。

 そしてヤツは私の予想通り、跳躍して3枚のシュリケンを避ける。
 流石虫。その跳躍力などは人間に比べるまでもなく、軽くメス自身の体長の倍は跳ねたのではないだろうか。
 しかし、滞空時間が長ければ長いほど、それは身動きのとれない空に拘束される時間が増えることになる。

 当然、それを見逃すほど私も甘くはない。

 瞬時にヤツをロックオンし、プラズマキャスターを放つ。
 蒼白く尾を引く流星は、突然に機動を変えたメスに痛打を浴びせることなく、紙一重で避けられた。

……忘れてた。アイツら飛ぶんだ。

 私は上空で大きな羽音を鳴らし、ホバリングをするメスを見上げる。

 戦略的な視点で見れば、自身よりも高い位置に敵を置くのはあまりよろしくない。制空権は言い過ぎかもしれないが、その優位制を取られるというのは現代の地球でも死活問題に直結する。
 それをヤツが意識しているかどうかは別として、本能的にそれが限りなく正解であるということを知っているのだろう。

 しかし、申し訳ないことに私に焦りはない。

 まず、私がプラズマキャスターという対空兵器を持っていることが1つ。また、本来ゴキブリは飛翔が得意でないというのが1つ。そして最大の理由が、この木々が生い茂る、言わば自然の障害物が多数存在し、見通しが悪い場所でゴキブリ自身がその巨体を生かすどころか、邪魔になるのが1つだ。ヤツ等は地面で這いつくばっている方が出鱈目に機動力が高いのである。
 それがただの野生の動物や、同じ知能レベルのモノが相手であれば上空からの攻勢は脅威となり得たであろう。
 私の体の作りが人型としては大きい部類に入るのかもしれないが、ヤツよりも小さい上にそんじょそこらの生物よりも俊敏に動くことができるのだ。
 地面の上であったならば、先ほど私が投げつけたシュリケンを回避したのを見るに、決して悪い動きではなかった。ヤツはそのアドバンテージを自ら捨てたのだ。

 では、上空にいるヤツに対してどういう手段に出るのか。

 答えは至ってシンプルである。

 私は次々とヘル
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