第二部
狩るということ
じゅうなな
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から沸々と沸き上がる、この感情はいつ以来だったか。
まあ、いい。
「見付けたら速攻でブチのめす」
そうやって自分でも訳の分からないテンションのまま森のかなり深くまで来てしまっていたことに気付く。
私自身、ここまで来るのは初めてのことであるが、なんだか空気が重いような、陰鬱としているような。まるで泥水の中を泳いでいるような感覚だ。
しかし、私は総重量なんキロか分からない数々の装備を身に付けながら、激流を泳ぎきることができるほどには体力も力もある。
と言うことで、気にせずどんどん進んで行きましょう。
ヘルメットの視覚情報および、音響情報を頼りに追跡を続けること1時間。
不自然なほどに静かな森の深部は、獰猛な牙を剥き出しにし、いまにも突き立ててくるような気配がそこかしこから感じられる。
この肌に突き刺さる気配を四方から感じつつも、今更野生動物如きの殺気に臆するほど、生半可な修羅場は越えてきていない。
光学迷彩機能により、姿形は見えていないはずだが、どうやら深部にいる獣共は一味違うようだ。とはいえ、何となく違和感を感じているといった具合であり、必要以上にこちらが警戒をする必要はなさそうだ。
と、私が追ってきていた混沌獣の足跡が途中で消えているのを私のヘルメットが知らせる。
私は音をさせずに地面へと降り立ち、光学迷彩機能を切って、最後の痕跡となった混沌獣の足跡を観察する。
まだ新しいが、こんな不自然極まりない場所で終点となったものだ。
……まあ、こんな場所でできることなど限られているが。
私は後ろを確認することもなく、後方へ体を回して裏拳を打ち込む。
ベコンだか、ボコンだか、まるでゴムタイヤを殴り飛ばしたような感触が右手に伝わり、拳を振り抜くのを止めてそのまま前方へと跳ぶ。
空中に飛び上がっている間に体を後方へと向けて、私は殴り付けたモノの正体をその目で確認した。
……巫山戯んなよ。何が蟷螂だ。
殴り付けたのはどうやら頭部だったようで、私を丸呑みにしようと開いた口、その顎が大きく歪んでいた。
また、拳を振り抜いていたら間に合わなかったであろう。私が立っていた場所には、ヤツの4本腕の内の2本が私を押さえ付けようとした体勢で地面に手のひらをつけている状態であった。
力比べで負けるつもりはないが、できれば触れるのは遠慮したい。
というか、実際見たくもないし、その存在を容認すること事態できない。
ヤツは今も昔も私の……。
いや、全人類の敵だ。
むしろ宿敵なのだ。
「どう見てもゴキブリじゃねぇか」
ヘルメットの中で絶叫しそ
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