3部分:第三章
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やはり聞き入れようとしない。先生はかなり強引に義光の後をついて来た。そうして遂に合格発表の場まで来たのであった。そこは志望校の入り口であった。
そこには既に多くの学生が集まっていた。貼り出された合格者の番号一覧を見てそれぞれ一喜一憂している。こうした場では常であるが喜んでいる顔もあれば落ち込んでいる顔もある。義光はそんな顔を見ても何とも思わなかった。
「自信あるのね」
「当然です」
先生にきっぱりと答えてみせた。
「勉強してきましたし試験自体もできましたから」
「そうなの」
「そうです。だから」
「じゃあ見るといいわ」
先生は掲示板を指差して言った。
「きっとあるから」
「当然ですよ」
何も動じることなく掲示板の前に行く。そうして受けた学部のところを見ると。彼は当然といったような顔で言うのであった。
「ありました」
「よかったわね」
「はい、後は」
「それね」
残る話は一つだけであった。
「彼女は」
「えっ!?」
義光は今の先生の言葉にギョッとした顔になった。なってしまった。
「何でそれを」
「今自分で言ったじゃない」
「しまった」
失言であった。余計なことを言ってしまったと後悔する。しかしもう後悔してもどうしようもない。言ってしまったことは二度と戻りはしないのだから。
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