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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第29話 暗雲
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さあ、サソリ
頑張ってきなさい。

御坂と泡浮は、交差点を曲がり湾内の視界から消えた。
「?」
首を傾げて、湾内は二人の後ろを見ていた。

よし
邪魔ものは排除した
写真の消去をさせてもらうぞ

その隙にサソリは、変化の術を使い泡浮そっくりに化ける。
スレンダーな体型に黒髪のストレートだ。
常盤台の制服を身に付けたサソリ泡浮が路地裏から這い出てきた。
いきなり、女子中学生(しかもお嬢様)が路地裏から出てきたので通行人は、ギョッとしたように足を止めている。

ゆっくり感覚を確かめるように手足を動かすと、ポツンと一人でいる湾内に近づいた。
「湾内さん」
「あっ!御坂さんはどのような用事で」
サソリ泡浮は、ニッコリと上品に笑みを浮かべながら言う。
「何でもありませんでしたわ。では、行きましょう」
「行きましょうって、このお店で見ようという話ではありませんでした?」

ギクッ!
サソリ泡浮の顔が少しだけ困ったように汗を流した。

「そ、そうでしたわ!では、入りましょうか」
「はい」
店に入り、サソリ泡浮は湾内が持っている携帯電話を手に入れようと画策していた。
夏服フェアをやっているので、店内には海に行くようなの水着が売られている。
女の子なら誰もが足を止めて見入いるような可愛い柄の水着。
少しだけ、大胆に布面積が小さいビキニ。
パラオが付き、麦わら帽子を被ったハワイをイメージしたマネキンが夏の到来を実感させる。

「新しいのが欲しいですわね。前に着ていたものはサイズが小さくなってしまいましたし」

店内全域が女性だらけの花畑の世界に流石のサソリも居心地の悪さを見せ始めてる。
くそっ!
さっさと写真を消して、帰らなければ
こんな所にいるのはマズイ。

「泡浮さんは、こちらがよろしいのではないかと」
爽やかな青空をイメージしたようなビキニをサソリ泡浮に見せた。

「わ、わたくしはまたの機会にいたしますわ」
「あれ?新しい水着を買いたいっておっしゃってましたよね」

コイツから誘ったのかよ!

「あちらで試着が出来ますから、一回着てみてくださいですわ。きっと似合いますわ」
青色の水着を渡されて、促されるがサソリ泡浮には無論そんな事ができるはずもない。

無茶言うな!
こんなモンが切れるか!
何か回避しなくては

「湾内さんはどのような水着を買いますの?」
サソリ泡浮が軽く咳払いをしながら、湾内に逆に質問した。
「そうですわね......今年は少しだけ大胆にしようかと思っていますの」
花柄の上と下で別れたセパレートタイプの水着を手に取る。

「サソリさんは、喜んでくれますでしょうか?」
頬に手を当てて、恥ずかしそうに眼を閉じている。
サソリ
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