第29話 暗雲
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「??」
別に普段と変わりない。
いや、よく見れば熟睡しているように見えた。
寝るとしたら、ディフェンディングチャンピオンの青タヌキの相方の寝付きが要求される。
「どうだ?」
「うわっ!?なんで洗面台から?」
ベッドに横になっているはずの、サソリが洗面台からスッと出てきた。
イヤ、それでも現在進行形でサソリはベッドに横になっている。
「??」
「どうやら成功のようだな」
サソリは解の印を結び、御坂を幻術から解いた。
「その機械は、音を使った能力封じだ。だから、物にチャクラを馴染ませてやりゃあ、関係ねえと踏んだ」
「そんな便利な技が」
これがあれば、大変だったプール掃除をしないで済んだかもしれないのに!
悔しそうに病院の床をバシバシ叩いた。
「うるせえな!」
「さて、準備が整ったな。御坂お前も手伝ってくれ」
「あ、あたしも!?」
「お前は、湾内の近くにいた黒髪の娘を連れ出せ。湾内と二人で話しがしたいから」
「お、おっ!!」
「?」
サソリの信じられない行動に御坂の頭は高速で回転した。
あのメールの束の事かしら
そうか、湾内さんに告白されたからね
湾内さんについてもっと知りたいって考えた訳ね
まあ、それ自体は悪いことじゃないし
サソリの問題だしね
出来れば、黒子も頑張って貰いたいけど
あたしが口を出すことじゃないし
流石の御坂さんも妙な勘が働いて、お見合いのオバちゃんのような顔で悪巧みをする笑顔を見せた。
「何だよ?」
「何でもありませんよ。ふふふ」
「気持ち悪い笑い方してんな」
「でどうやって病院抜け出すの?正面から行けば捕まるわよ」
「白井は今日は来れないんだよな」
サソリが身体をゆっくり伸ばしながら、軽く身体を動かした。
「ええ、ジャッジメントの仕事で記録整理だって」
サソリは、病院着の上から暁の外套を着だした。
「よし、分かった」
サソリは、印を結び出す。
辺りに白い煙が立ち込めて、サソリを包み込み、煙が晴れると白井そっくりの姿に変化した。
常盤台の制服を見にまとい、二つにまとめた髪を窓からの風でなびかせる。
「!!!!?」
サソリ白井は、クルッと振り返る。
赤い髪のツインテールが揺れる。
「まあ、これでいいだろ?」
やる気が無さそうな感じで、力なく傾いて立つ。
白井にしては、妙にエラそうで言葉使いが乱暴で......あれ、普段の白井と変わらないが
「黒子?でもなんか違うわ」
雰囲気が全体的に。
「そうか......」
サソリ白井は目を閉じ、演技に集中する。白井の口調と動作を真似て、にこやかな笑顔を見せると御坂に向かって
「さあ、行きますわよ!お姉様!」
「えっ!?」
完全なる白井がそこに
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