第29話 暗雲
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こまでは」
「そうか」
「なになに、興味が出てきたの?」
御坂が興味津々どれもばかりにサソリの近くに椅子を移動させる。
「いや、やめさせてくれねえかと思ってな」
「ですよねー」
サソリは、ベッドから半身を起き上がらせた。
「御坂、質問いいか?」
「いいわよ」
「この機械で写真を撮ることが出来るのか?」
サソリが携帯電話を指差して、御坂に訊いた。
「撮れるわよ。貸してみて」
御坂が操作をして、携帯電話のレンズをサソリに向けて構えた。
「じゃあ、ハイチーズ」
カシャとシャッター音がして気難しそうなサソリが中心に写っている。
「ほら」
「ほう、どうやった?」
「このカメラのボタンを押し、真ん中のボタンを押すと撮れるわ」
携帯電話を持って、操作を確かめるように辺りをパシャパシャ撮っていく。
「これって写真が消せたりするか?」
「まあね、右上のボタンを押すと機能が出て、消したい写真を選んで消せるわよ」
御坂がサソリに見せながら、目の前でカーテンやピントがズレてぼやけている御坂の写真を消していく。
サソリも見よう見まねで写真を削除した。
「これは機械ごとに違うか?」
「いや、だいたい同じね。あたしもアンタの携帯電話を弄れるし」
「ほうほう」
サソリはニヤリと笑みを浮かべた。
これで写真を消す手段がマスター出来た。
あとは......
「よし、ありがとうな。湾内にはオレが直接言ってくるか」
「え?」
「また、今日の夜にやられたら堪ったもんじゃねーよ」
「そうだけど、この病室から抜け出すのは」
「そうだな......ちょいと部屋に細工する」
「分身を使うの?」
「いや、チャクラが使えなくなるのが使われているから、オレが行く」
キャパシティダウンの影響により、サソリはチャクラは練れない。
たとえ分身の術を使おうが、キャパシティダウンを使われた瞬間に消える可能性が高いことが想定される。
「よっと」
サソリは、引き戸を開けて渡された検査についての説明書き(済み)の裏にペンで術式を書き込んだ。
紙は、全部で4枚書き。
ペン先を滑らかに動かしながら、達筆な文字をA4用紙にビッシリ書き込んだ。
「うわあ、眼が痛くなりそう」
細かい文字列に御坂が紙を覗き込みながら言った。
「よし」
サソリは、起き上がると文房具の糊を持って四方の壁へと貼り付けた。
「何してんの?」
「この部屋に入った瞬間に幻術が発動するようにする」
貼り付け終わると、サソリはチャクラを込めたか確認するように手を当てた。
「御坂、部屋に入り直してくれ」
「へっ?分かったわ」
御坂は、引き戸から出て行ってもう一度、引き戸を開けた。
そこには、ベッドに横になるサソリが映っている。
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