本編
第八話
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ライ』という呪文とはまた違った方式であるミッドチルダ式で飛んでいるのだが、専門家でもなく魔法を使えない平民である周囲の人物がそれに気が付くことはない。
宙に浮いたルイズはハルケギニアの一般的なメイジとは懸け離れた速度を持ってして宙を駆ける。ルイズがスカート着用であったのをいいことに少女の秘奥を覗き見しようとした下賤な輩は、ルイズの速度で巻き起こる風圧に巻き込まれ倒れ伏した。
倒れ伏す輩を尻目にサイトを追い越し、更にスリの犯人であろう男をも追い越したルイズはその男の進路を塞ぐように男の前に舞い降りた。
ルイズの姿を見た男は、相手がメイジだと悟り敵わないことを理解し、進路を真逆に変え逃走を図ったが、そこには男に追い縋っていたサイトの姿があった。
しかし、サイトの姿が貴族のようではなく、また装備が剣であったことからサイトはメイジではないと判断した男は軽く舌打ちをし懐からナイフを取り出した。
走る速度を緩めることなくナイフの切っ先をサイトに向けたまま突撃してくる男に対し、サイトは刀に手を掛けるだけでそれを抜こうとはしなかった。
「腰抜けが!」
サイトの構えを怯えて鞘から剣を抜けないでいると考えた男はそのままサイトへと迫る。その考えもある意味間違いではなかった。彼が立っているのは人が二人並んで通るのがやっとの広さの狭い路地であった、故に長い刀を振り回せばどこかに引っ掛ってしまう恐れがあった。それを恐れてサイトは刀を抜くことはなかった。
男のナイフがサイトの体に突き刺さるよりも早く、サイトは片手で鞘ごと腰から刀を抜き取ると夫子のナイフに対して滑らすように鞘を合わせ、力の向きを斜めにずらす。
攻撃を逸らされ態勢を崩した男が、撤退か再び攻撃にすべきか悩んだ隙をルイズを見逃さなかった。男の足元に素早く杖を向ける。彼女の最も得意とする唯一の魔法が男の足元の石畳に発動した。
男には何が起きたか理解出来なかった。気が付けば下からの爆風で宙に浮かび上がらされていた。
その宙に浮かび上がった男に対してサイトが回し蹴りを叩きこんだ。
男は抵抗することもできず、蹴り飛ばされて近くの武器屋に頭から突っ込んでいった。
表で起きていた珍事を眺めていた武器屋の店主は向かってくる男に驚いて身を屈めたが、そのおかけで男は剣を陳列していた棚に突っ込んでしまった。散らばる剣、その内の一つが表まで転がって来て、丁度サイトの足元で止まった。
「おでれえた、剣として人をぶっ飛ばしたことはあったがまさか自分がぶっ飛ばされることがあるとは」
カタカタと鍔に付いた金具をまるで口のように動かしながら、人の言葉を発するその剣、デルフリンガ―がサイト達の元にやってきてしまったこと。これこそが魔法学院の秘書
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