第65話
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なかった事がきっかけで遊撃士になったから……」
「………………………………」
エステルの提案と説明をモルガンは何も言わず黙って聞いていた。
「遊撃士の可能性をもう一度、確かめるためにも……。何よりも、目の前で困っている人たちの力になるためにも……。あたしは、今の自分にできる精一杯のことはしておきたい。だから……どうか協力させてください。」
「「エステルさん………」」
「ふふ、よく言ったわね。」
エステルの話を聞いたプリネとツーヤ、シェラザードは感心した様子でエステルを見つめた。
「………………………………。10年前、ボース地方にも遊撃士がいればあるいは……」
「へ?」
「いや……何でもない。多忙なカシウスに代わって今回の竜対策の指揮はわしが行うことになった。そろそろハーケン門に戻って軍議を始めなくてはならん。おぬしの提案はその時に検討させてもらおう。」
「そ、それじゃあ……!」
モルガンの答えを聞いたエステルは期待した表情になった。
「早とちりするでない。あくまで検討するだけだ。今夜中に、軍議の結果をボース支部に連絡しよう。約束できるのはそのくらいだ。」
「……うん、わかりました。」
「連絡、お待ちしているわ。」
モルガンの説明を聞いたエステルとシェラザードは頷いた。
「それではわしはこれで失礼させてもらおう。村長殿、お邪魔したな。」
「いやいや。また来てくだされよ。」
そしてモルガンは控えていた兵士と共に退席した。
その後アガットの状態を見るためにエステル達は一端アガットの家に行き、アガットの介抱をしているティータに今後の事を説明し、その際のティータの希望により、ティータは引き続きアガットの看病に残る事になったので、アガットを看病するティータを残して、報告の為にエステル達はギルドに戻った…………
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