第65話
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フィル帝国軍によって”保護”された。」
「あ、うん。それは勿論知っているけど………」
モルガンの説明を聞いたエステルは目を閉じて黙っているプリネをチラリと見た後、言った。
「それを知った女王陛下はリウイ陛下に何の為にロレントの”保護”をし、そしてロレントを”返還”して頂く為にわしやカシウスと僅かな護衛兵と共に陸路でロレントのメンフィル帝国軍の本陣にいるリウイ陛下と会談した。」
「え………ロレントの”返還”ってどういう事………?」
モルガンの話を聞いたエステルは驚いて尋ねた。そして目を閉じていたプリネは目を開いて静かな口調で答えた。
「………エステルさん。普通、”保護”をした時点で”保護”を行った国の領となる………つまり、あの時点のロレントは”メンフィル保護領”――リベール王国ではなく、メンフィル帝国の領地だったんです。」
「!!」
プリネの説明を聞いたエステルは驚いた表情をして、プリネを見た。
「……実はあたしも師匠からその事は聞かされていてね………ロレントがメンフィル領だった時期は僅かな時期だったから、言う必要はないと思って今まで黙っていたのよ………」
「そうだったんだ…………」
シェラザードも知っていた事にエステルは驚いた後、シェラザードを見た。そしてモルガンは説明を続けた。
「………”ロレント返還”の条件は予想していたよりも大した条件はなく、特に問題はなかった。そしてその際、リウイ陛下は我々リベールにある提案をした。」
「ある提案??」
「……”友好の証”として当時エレボニア軍に占領されている他の都市の解放を手伝う事………それがリウイ陛下の提案だった。」
「それって………」
「………リベールへの援軍……ね。当時戦時中のリベールにとって、魅力的な提案だけど………デメリットとして、将来のメンフィルとの駆け引きでその事を持ち上げられる可能性があるわね。」
モルガンの話を聞いたエステルが言いかけた事をシェラザードが続けた。
「………そうだ。その可能性も考えられたからこそ、女王陛下はリウイ陛下の提案を断った。………だが、女王陛下はラヴェンヌ村の犠牲者を知り、あの時受けるべきだったと後悔していらした………もし、あの時リウイ陛下の提案を受けていれば、村を襲うエレボニア軍をメンフィル軍が圧倒的な戦闘力で反撃も許さず電光石火で殲滅し………そして万が一、村民から重傷者が出ても”闇の聖女”殿が治癒し、犠牲になった者が今でも生きている可能性はあっただろうしな………」
「………………………ねえ、プリネ。もし将軍さんの言うとおり、女王様がリウイの提案を受けたら、アガットの妹は………」
モルガンの説明を辛そうな表情で聞いていたエステルはプリネを見て尋ねた
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