第65話
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「あ、あはは……。将軍さんに誉められると何だかこそばゆいわね。それに消火活動はプリネ達のお蔭だし。」
モルガンの賞賛に照れたエステルはプリネとツーヤを見た。
「フフ……私ができたのは火の勢いを少しだけ弱めただけで、本格的な消火をしたのはツーヤ達ですよ。」
「そ、そんな…………恐れ多いです。」
プリネに微笑まれたツーヤは顔を赤らめた。
「あはは……それはともかく…………アガットのことなんだけど。妹のミーシャさんって本当に10年前の戦争で……?」
2人の様子を見たエステルは苦笑した後、村長にある事を尋ねた。
「うむ……。帝国軍と王国軍の戦闘が村の近郊であってな……。その時、帝国軍の焼夷弾がいくつか村に届いたのじゃ。」
エステルに尋ねられた村長は重苦しい表情で当時の様子を語り始めた。
「その結果、民家が焼かれ犠牲者を出すこととなった。ミーシャもその1人じゃ。」
「………………………………」
村長の話を聞いたエステルは悲痛そうな表情で黙っていた。
「実はあたしも、少し事情を知っていたんだけどね………アガットが言いたくない様子だったから黙ってたの。」
「そうだったんだ…………」
シェラザードがアガットの事情を知っていた事にエステルは意外そうな表情で答えた。そしてモルガンが話を続けた。
「……それはある意味、我々王国軍の失態でもあった。村を守るための防衛線が帝国軍の苛烈な攻撃を招き……結果的に甚大な被害をもたらしたのだからな。」
「あ……」
「そして、その防衛線の構築はわしの指示によるものだった。全てはわしの責任と言えるのだ。」
「……将軍閣下。あまりご自分を責めなさるな。あの時、王国軍はあくまで使命を果たしただけじゃった。結局、幾つかの偶然が重なって起きた被害でしかないんじゃよ。」
「いや、どうか庇ってくれるな。肉親を亡くした者にそのような理屈は通用しない。あの赤毛の若者のようにな。」
「……それは……」
自分を責めているモルガンを自分達は恨んでいないことを伝えようとした村長だったが、アガットの事を出されて、言葉を失くした。
「それにこの犠牲は………我々王国軍………いや、リベール王国がメンフィル帝国のせっかくの好意を断った我々の責任だ………」
「…………………………」
「え………それってどういう事…………?」
モルガンの話を聞いたプリネは両目を閉じて静かに黙り、エステルは驚いて尋ねた。
「………当事者のお主も知っていると思うが、”百日戦役”の当時のロレントはエレボニア帝国の襲撃の際、突如現れたリウイ皇帝陛下率いるメンフィル帝国軍によって、エレボニア兵は殲滅され、そしてロレントはメン
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