第65話
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陸最強”だ!肝心な時にはその”力”を使わない上、間に合わず、結局人を死なせているじゃねえか!」
「(10年前の戦争………”百日戦役”ね…………もしかしてアガットさんは……)……アガットさん、もしかして貴方は10年前の戦争で大切な人を…………?」
さらにアガットはプリネを睨んで叫び、睨まれたプリネはアガットから目を逸らさず、静かに問いかけた。
「ケッ……誰がてめえらだけに任せておけるかってんだ……。今度は……今度こそは……。俺は……この手で……ミーシャを守らなくちゃ……」
問いかけられたアガットは答えず、自分に言い聞かせるように呟いた後、地面に崩れ落ちた。
「アガットさんっ!?」
「ちょ、ちょっと!?」
崩れ落ちたアガットを見たティータとエステルは慌てた。
「……ふむ、傷口が開いたということはなさそうだ。気力と体力が尽きて気絶しただけのようだな。」
「……アガットさん……」
「ま、まったくもう、人騒がせなんだから……」
アガットの状態を調べて言ったモルガンの答えを聞いたティータは心配そうな表情で倒れているアガットを見つめ続け、エステルは安堵の溜息を吐いた。
「とりあえず、きちんとしたベッドに寝かせた方がよかろう。こやつの家もあることだし、ラヴェンヌ村まで送るとするか。」
「あ、うん、お願いします。………………………………。って、どうしてラヴェンヌ村にアガットの家があることを知ってるの?」
モルガンの提案に頷いたエステルだったが、ある事に気づき、モルガンに尋ねた。
「……こやつに一度だけ会っていたのを思い出してな。あの時の少年が……ずいぶんと大きくなったものだ。」
「あの時?」
「『百日戦役』が終わった直後……。こやつの妹と村人たちの墓碑が建てられた時のことだ。」
「!!!」
モルガンの説明を聞いたエステルは信じられない表情をした。その後エステル達はモルガンと付き添いの兵士と共にアガットをラヴェンヌ村にあるアガットの家に運んだ後、アガットの看病はティータに任せ、村長の家に向かって村長に事情を説明した。
〜ラヴェンヌ村・村長宅・夕方〜
「なるほど……。そんな事があったのか。エステル殿、将軍閣下。色々と面倒をかけたのう。」
「ううん……。結局、竜の暴走を食い止められなかったし……。あんまりお役に立てなくて申しわけないんだけど……」
エステル達の説明を聞いた村長はエステル達に謝罪し、謝罪されたエステルは申し訳なさそうな表情をした。
「まあ、そう気落ちするな。結果はどうあれ、おぬしらが早めに動いてくれたのは助かった。ボース市の消火活動やマーケットでの人命救助といい、果樹園での消火活動といい、な。」
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