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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二話 昇格試験 アクシデント
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「……さっきも言ったけど、アタシの不注意よ。アンタに謝られると、かえってムカつくわ」

確かにスバルは油断していたけど、安全確認を怠ったのはアタシだし、バックスとしてはやってはいけないミスだった。

ここでアタシがお荷物になっちゃダメだ。

アスカもいるし、スバルも目標がある。なら……仕方ないか。

「走るのは無理そうね……最終関門は抜けられない」

「ティア?」

アタシの言葉に、スバルが不安そうな顔をする。

もう、そんな顔するんじゃないわよ!

「アタシが離れた位置からサポートするわ。そうしたら、アンタとアスカだけならゴールできる」

動けないなら、せめてフォローして二人の手助けをしたい。

それがアタシの出した答え。でも、スバルは納得しないだろうな。

「ティア!!」

やっぱりね。泣きそうな目でアタシを見ている。でも、これしかないの!

「うっさい!次の受験の時はアタシ一人で受けるって言ってんのよ!」

アタシは叱りつけるように叫んだ。

「次って、半年後だよ!?」

わかってるわよ!そんな事は!でも、アンタの足を引っ張る訳にはいかないでしょ!

「迷惑な足手まといがいなくなれば、アタシはその方が気楽なのよ。わかったらさっさと……クッ!」

立ち上がろうとしたけど足がまた痛み出して、アタシはよろけてしまった。

近くの瓦礫に掴まって、何とか立っている状態だ。

スバルはまだグズっている。このままじゃタイムオーバーになっちゃうでしょ。

「ホラ、早く!」

アタシはスバルに先に進むように促す。落ちるのはアタシ一人で十分だ。

悔しいし、諦めたくないけど、誰かを巻き込む事なんてできない。

「ティア……私、前に言ったよね。弱くて、情けなくて、誰かに助けてもらいっぱなしな自分が嫌だったから、管理局の陸士部隊に入ったって」

いきなりスバルが語り出した。何度も聞いた話だ。

「魔導師目指して、魔法とシューティングアーツを習って、人助けの仕事に就いた」

「知ってるわよ。聞きたくもないのに、何度も聞かされたんだから」

アタシはスバルに背を向けた。

聞く耳持たないというアピールだったけど、スバルは構わずに話を続ける。

「ティアとはずっとコンビだったから……ティアがどんな夢を見てるか、魔導師ランクのアップと昇進にどれくらい一生懸命かよく知ってる」

背中越しでも、スバルの声が震えているのが分かる。

「だから!こんな所で!私の目の前で!ティアの夢をつまづかせるのなんて嫌だ!ティアを置いていくなんで絶対に嫌だ!」

どんな我が儘よ!

スバルがそう言ってくれるのは……正直嬉しいけど、そう思ってるのはアンタだけじゃないのよ?
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