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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二話 昇格試験 アクシデント
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だから何でもない……痛っ!」
心配するスバルをよそに立ち上がろうとしたが、左足首に激痛が走りうずくまる込むティアナ。
「見せて見ろ!」
アスカもティアナに駆け寄る。
「……」
ティアナは近くの隆起したコンクリートに腰を下ろして、左足を出す。
アスカはティアナの足を取ると、僅かに捻ってみた。
「……っ!」
「痛むか?」
「……少しね。でも大丈夫よ」
ティアナは強がってみせるが、その顔色をみれば歩く事さえ困難な事が分かる。
「とにかく、応急処置だ」
アスカは髪留めに使っていた黄色いバンダナを解くと、ティアナの靴ごと足首を圧迫固定した。
「ちょ、ちょっと、汚れちゃうわよ?」
「洗えばいいだけだ。気にすんな」
慣れた手つきでバンダナを巻き終えるアスカ。
「……アリガト……」
礼を言うティアナだったが、その口調は沈んでいた。
「悪い……油断した。これはオレのミスだ」
悔しそうにアスカは顔を歪める。
「……別に、アンタの所為じゃないでしょ。打ち損じたアタシのミスよ」
ティアナが憮然とした表情で答える。誰が悪いと言う訳ではない。
あえて言うとしたら、自分の運が悪いとティアナは思っていた。
「でも……」
「それより!」
まだ何か言いた気なアスカを、ティアナは強引に黙らせる。
「先行して様子を見てきてくれない?この先のポイントが、最大難関なんだからさ」
「……ああ、わかった。スバル、ティアナを頼む」
アスカはティアナとスバルをその場に残し、先へと進んだ。
アスカside
クソ、クソ、クソ、クソ!
油断した。
もっと気を配っていれば防げた攻撃だった。自分の不甲斐なさに情けなくなってくる。
自分に苛立ったまま、オレは高架橋の切れ目から目的地のビルをのぞき見る。
前の試験じゃここまでこれなかった。ティアナとスバルのおかげで、オレは今ここにいる。
「リタイアにも、
囮
(
おとり
)
にもさせねぇ……絶対三人でゴールしてやる!」
オレがそう決意を決めて高架橋から飛び出す。
それを待っていたかのように、目的地のビルから魔力弾が打ち出されてきた。
正確にオレを狙っていやがる。
「チッ!」
バリアでそれを防いだが、気を抜くと落とされてしまいそうだ。
「上等!」
少しでも情報収集するべく、オレは攻撃を誘いまくった。
ティアナside
アスカが先行して、アタシとスバルがその場に残った。
「ティア……ゴメン、油断してた」
消え入りそうな声でスバルが謝ってくる。見て分かるくらいに落ち込んでいる。
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