暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二話 昇格試験 アクシデント
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だから何でもない……痛っ!」

心配するスバルをよそに立ち上がろうとしたが、左足首に激痛が走りうずくまる込むティアナ。

「見せて見ろ!」

アスカもティアナに駆け寄る。

「……」

ティアナは近くの隆起したコンクリートに腰を下ろして、左足を出す。

アスカはティアナの足を取ると、僅かに捻ってみた。

「……っ!」

「痛むか?」

「……少しね。でも大丈夫よ」

ティアナは強がってみせるが、その顔色をみれば歩く事さえ困難な事が分かる。

「とにかく、応急処置だ」

アスカは髪留めに使っていた黄色いバンダナを解くと、ティアナの靴ごと足首を圧迫固定した。

「ちょ、ちょっと、汚れちゃうわよ?」

「洗えばいいだけだ。気にすんな」

慣れた手つきでバンダナを巻き終えるアスカ。

「……アリガト……」

礼を言うティアナだったが、その口調は沈んでいた。

「悪い……油断した。これはオレのミスだ」

悔しそうにアスカは顔を歪める。

「……別に、アンタの所為じゃないでしょ。打ち損じたアタシのミスよ」

ティアナが憮然とした表情で答える。誰が悪いと言う訳ではない。

あえて言うとしたら、自分の運が悪いとティアナは思っていた。

「でも……」

「それより!」

まだ何か言いた気なアスカを、ティアナは強引に黙らせる。

「先行して様子を見てきてくれない?この先のポイントが、最大難関なんだからさ」

「……ああ、わかった。スバル、ティアナを頼む」

アスカはティアナとスバルをその場に残し、先へと進んだ。





アスカside

クソ、クソ、クソ、クソ!

油断した。

もっと気を配っていれば防げた攻撃だった。自分の不甲斐なさに情けなくなってくる。

自分に苛立ったまま、オレは高架橋の切れ目から目的地のビルをのぞき見る。

前の試験じゃここまでこれなかった。ティアナとスバルのおかげで、オレは今ここにいる。

「リタイアにも、(おとり)にもさせねぇ……絶対三人でゴールしてやる!」

オレがそう決意を決めて高架橋から飛び出す。

それを待っていたかのように、目的地のビルから魔力弾が打ち出されてきた。

正確にオレを狙っていやがる。

「チッ!」

バリアでそれを防いだが、気を抜くと落とされてしまいそうだ。

「上等!」

少しでも情報収集するべく、オレは攻撃を誘いまくった。





ティアナside

アスカが先行して、アタシとスバルがその場に残った。

「ティア……ゴメン、油断してた」

消え入りそうな声でスバルが謝ってくる。見て分かるくらいに落ち込んでいる。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ