機動戦艦ナデシコ
1322話
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りませんでした。それで念の為に回避を選択しました』
「……そうか」
量産型Wは人造人間ではあるが、レモンの長年の研究によりパイロットとしてはエース級の力を持っている。
それも一流のパイロットと超一流のパイロットの壁を分ける、明確な壁を越えつつある程度の能力を持ち、超一流半とでも呼ぶべき存在だ。
……超一流半って、何だか微妙に人聞きが悪いな。
その量産型Wが危険だと判断したとなると、そこまでの威力があるのか?
こればっかりは実際に食らって……
そう考えたところで、他にも戦場へと何機かのシャドウが姿を現しているのに気が付く。
ふむ、なるほど。これなら1機くらい被害を受けても構わないか。
最悪シャドウを大破させてしまうかもしれないと考えると少し惜しい気もするが……バリアを持っている機体でどのくらい大型戦艦のグラビティブラストを防げるのかというのは試しておく必要がある。
最悪、幹部の乗っている機体がグラビティブラストを受けて撃破されると考えれば、シャドウで試した方がいい。
可能であればメギロート辺りで試せば良かったんだろうが、バリアを持ってないしな。
だからこそ、バッタの集中攻撃で撃破されている機体もいる訳で。
「バリアを全開にして、敵大型戦艦の放つグラビティブラストを正面から受けてみろ。恐らくバリアで敵の攻撃は防げると思うが、もしどうしても駄目なら、途中で回避してもいい」
『了解しました』
俺の命令にあっさりと頷いた量産型Wは、そのまま大型戦艦の方へと向かって進んでいく。
これが普通のパイロットであれば、自分を殺す気かとか言って怒るだろうが、量産型Wは人間の形をしている機械のようなものだ。
……Wナンバーズのように特別に手を加えられた存在であれば、意思や自我といったものが目覚めることもあるんだが。
ともあれ、量産型Wの操るシャドウは武器を手にして挑発するような仕草をしながら大型戦艦へと向かう。
そんなシャドウを迎撃すべく各種レーザーやミサイル、レールガンといった攻撃が放たれも、G・テリトリーすら貫く事は出来なかった。
ああ、そうか。巨大戦艦もナデシコと同じ火星古代文明の流れを汲んでいるという事は、動力炉が相転移エンジンなのか。
つまりナデシコと同じく宇宙ではないと本領を発揮出来ず、火星や地球ではグラビティブラストを連射出来ない、と。
「量産型W、その艦は暫く次のグラビティブラストを発射出来ない。別の大型戦艦に向かえ」
『了解』
そう告げ、攻撃をせずにかなり離れた場所にある大型戦艦へと向かって行くシャドウ。
大型戦艦はそんなシャドウの背中を撃とうとして艦首を移動させるが……
「グラビティブラストを撃てないお前は用済みだよ。くたばれ」
そう呟き、
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