5章〜守るべきもの〜 外伝〜始まりし最後の”実験”〜
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エステル達がボースに向かったその頃、所々包帯が巻いてあるルシオラがロレントにある『四輪の塔』の一つ、『翡翠の塔』の頂上に到着した。
〜翡翠の塔・頂上〜
「『翡翠の塔』―――どうやら……報告通りみたいね。」
頂上に到着したルシオラは光っている台座に近づいた。
「王城の封印区画と連動した『デバイスタワー』の一角……。表と裏を利用した『第二結界』……。ふふ、教授もよく調べたものね。」
不敵な笑みを浮かべたルシオラが呟いたその時、赤い飛行艇が塔の横に止まった。
「よお、待たせたな。」
「ふふっ、お疲れさまだったね。」
そして飛行艇からヴァルターとカンパネルラが出てきた。
「あら……貴方たちが来るなんて。てっきりレーヴェが迎えに来ると思ったのだけど。どういう風の吹き回しかしら?」
出てきた2人を見て意外そうな表情をしたルシオラは尋ねた。
「ふふ、レーヴェなら教授のお供をしているところでね。そこで僭越ながら僕たちがお迎えに参上したというわけさ。」
「まー、次の段階までやる事も無くなっちまったしな。ヒマ潰しに来させてもらったぜ。」
「ふふ、物好きなこと。しかし、教授とレーヴェが同行しているということは……。ついに最後の実験が行われるということかしら?」
2人の説明を聞いたルシオラは口元に笑みを浮かべた後、尋ねた。
「クク、らしいな。『福音計画』もいよいよ次の段階ってわけだ。」
「人形と猟兵の仕上がりも上々だ。これで『β』が完成したらずいぶん忙しくなると思うよ。……それにしても君、一体何があったんだい?髪をバッサリ切ったようだけど………」
「………切ったのではなく、切られたのよ…………」
カンパネルラに尋ねられたルシオラはリウイと戦った時を思い出し、顔を青ざめさせて身体を震わせながら答えた。
「………見た所、殺り合ったみたいだが………その時に切られたのか?あの小娘共程度にお前が遅れをとるとは……クク、お前も落ちぶれたものだな?それとも奴らがそこまで力を付けたのか?」
「いいえ………相手は”剣皇”よ………」
不敵に笑っているヴァルターにルシオラは静かに答えた。
「何……!?」
「へえ………まさか”剣皇”が出てくるなんてねぇ………まさか、君。”剣皇”の関係者に手を出したのかい?」
ルシオラの答えを聞いたヴァルターは驚き、カンパネルラは驚いた後、尋ねた。
「そんな事をした覚えはないわよ……さすがに”剣皇”達に出てこられたら、私の命も危ないから、メンフィルの関係者には手を出していないのに………こっちが聞きたいぐらいだわ。」
「クク……まさか”剣皇”と殺り合うとはな………俺も殺り合いたかったぜ。」
「…
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