暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
5章〜守るべきもの〜 外伝〜始まりし最後の”実験”〜
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タだからね。」

レーヴェの指摘にワイスマンは頷いた後、説明した。

「…………おぬしらは………………」

その時、ワイスマン達の目の前にいる”ある存在”の声が響いた。

「おお……起こしてしまったようだね。20年ぶりのお目覚めかな?」

「………………………………」

「お初お目にかかる。私の名は、ゲオルグ・ワイスマン。『身喰らう蛇』を管理する『蛇の使徒》』を任されている。」

「………………………………。……去れ……。おぬしが漂わせるその力……どことなく懐かしい気がするが……おぬしの目は気に入らぬ……。(くら)(よろこ)びにしか生を見出せぬ……歪んだ魂の匂いを感じるぞ……」

自己紹介をするワイスマンを”ある存在”は睨みながら警告した。

「フフ、お誉めにあずかり光栄だ。しかし残念ながら貴方に拒む権利はないのだよ。女神の至宝に関わる話だからね。」

「…………なに…………?」

「レーヴェ、見せてやりたまえ」

「………………………………」

ワイスマンに促されたレーヴェは”ある存在”に見えるように”ゴスペル”を懐から出した。

「…………それは…………!」

”ある存在”はゴスペルを見て、驚いた声を出した。

「1200年前の記憶が甦ったかね?レプリカに過ぎないがなかなか良く出来ているだろう?」

「…………おぬしら…………。……まさか『輝く環』を!!」

「フフ、そのまさかだ。」

”ある存在”の言葉に答えたワイスマンは異空間より杖を取り出した。

「それでは―――最後の『実験』を始めよう。」



〜同時刻・ラッセル工房〜



「なるほど、今度の『ゴスペル』は人の精神にも干渉してきたか……。そして霧の粒子を媒介に広範囲を掌握・コントロールする。ふむ……これで決まりじゃな。」

一方その頃、ラッセル博士はティータの報告書を読んでいた。

「博士、お邪魔しますよ。」

その時、カシウスが博士に近づいてきた。

「おお、カシウス。1ヶ月ぶりくらいじゃの。レイストン要塞から来たのか?」

「ええ、ようやく仕事が一区切りついてくれたのでね。陣中見舞いにお邪魔しました。」

博士に尋ねられたカシウスは頷いて答えた。

「それは……お孫さんのレポートですか?」

「うむ、今朝ほどロレントから届けられてな。このレポートのおかげでようやく確信が持てたわい。」

「『ゴスペル』の正体ですか。」

「うむ、あくまで仮説だがな。思考実験と『カペル』を使ったシミュレーションは千回以上行った。聞くか?」

「是非とも。」

「うむ、それでは―――」

カシウスの答えを聞いた博士は『カペル』に設置していた『ゴスペル』
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