6部分:第六章
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第六章
「私のお好み焼き」
「え、ええ」
「どうしてどうして」
「これは」
皆目を丸くさせながら述べた。
「美味しいなんて」
「どうしてかしら」
「ひょっとしてこれって」
先生もやっと食べ終えてから言うのだった。見ればその顔は満足しきったものであった。
「外見で判断したらいけないということかしら」
「外見でですか」
「それだけじゃ味はわからないってことなんですね」
「私、ずっと言われていたの」
芙美子の笑顔は不変だった。今もなお。
「人も何でも外見で判断しちゃいけないって」
「そう言われていたの」
「うん、お母さんにね」
こうクラスメイトの一人の問いに答える芙美子だった。どうやら彼女の母親はかなりよくできた人間であるようである。
「言われていたから。だから」
「こうした料理でもなの」
「それで一緒にこうも言われていたの」
芙美子の言葉は続く。その笑みと共に。
「どれだけ立派な外見でも中身が悪かったら何時かばれるって」
「何時かはなのね」
「それでどんなに外見が悪くても中身がよかったらそれは絶対に何時か皆にわかってもらえるって」
「それが今だったの」
「わかってたから、これ」
やはりここでも明るい声であった。
「このことが。だから」
「そうなの。だから」
「ずっと。作ってたのね」
「自分で作って食べても美味しかったから」
やはり楽観的な芙美子だった。その明るさはまさに天真爛漫そのものだ。その明るさがあったからこそ今までこうした料理を作ってきたのであろうが。
「だから。それで」
「成程ね。だからね」
「それでだったの」
「そうよ。だから今とても嬉しいの」
皆に対しての言葉だった。
「皆が。こうして食べてくれて」
「ううん、そう言われたら」
「ちょっと、私達ね」
「申し訳ないわ」
皆済まなさそうな顔で芙美子に言うのであった。その中には先生もいた。
「ずっと。避けていたから」
「だから」
「けれど美味しいわよね」
「ええ、まあそれはね」
「その通りだけれど」
「だったらそれでいいわ」
満足している芙美子の声であった。
「それでね。私は」
「そうなの」
「それでいいの」
「ええ」
笑みも声も屈託のないままであった。
「それでね。いいわ」
「ううん、それだったらさ」
「ねえ芙美子」
彼女達はあらためて芙美子に対して言うのであった。
「こんなこと言えた義理じゃないけれど」
「今まで気味悪がって色々言ってきたし」
「だから私は別に」
「そうじゃなくてね」
「実はね」
芙美子の顔を見て言う一同だった。やはりその中には先生もいる。先生も申し訳なさそうな顔で産み子を見続けていた。皆と同じで。
「これから。芙美子が作った
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