第59話(4章終了)
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ある呼び方でイリーナの名を呼んだ。
「ありがとう。…………フフ、私が”さん”付けでリウイが呼び捨て。そしてペテレーネが”聖女様”だっていう人は貴女ぐらいね。」
イリーナは上品に笑いながら答えた後、凛とした表情でエステルを見た。
「エステルさん……”魔”に堕ちようとしたリウイを止めてくれて本当にありがとう……貴女が止めてくれたお陰で、今のリウイがいるのですから……」
「あ、あはは……そんな大した事はしたつもりではなかったんだけどな………そう言えば、あの時のリウイ、かなり怒っていたけど、やっぱりイリーナさんが眠らされたからあれだけ怒っていたんでしょ?プリネだけなら、そんなに怒るような気がしないし。」
イリーナにお礼を言われたエステルは恥ずかしそうな表情で答えた後、リウイに尋ねた。
「………………………………ああ。また、”あの時”のようにイリーナを失うのかと考えてしまって……な……………」
エステルに尋ねられたリウイは少しの間黙っていたが、やがて溜息を吐いて答えた。
「……あなた。私の事を思ってくれるのは嬉しいですが、復讐心に狩られて、殺戮者になるのだけはやめて下さい……そんなの、本当のあなたではありませんし………私達が誓った”理想”も遠のいてしまいますし………」
「……わかっている。お前と誓った理想がようやく実現できたのだ。俺の為にも………そしてお前の為にも、もうそんな真似はしない。」
イリーナに静かに問いかけられたリウイは重々しく頷いた。
「えへへ……よかった。」
2人の様子を見たエステルは微笑ましそうに2人を見ていた。
「………エステル・ブライト。以前からお前には聞きたい事があった。」
「ん?何??」
静かに問いかけて来たリウイの言葉にエステルは尋ねた。
「…………何故、お前は俺達”闇夜の眷属”を”友”になろうとし、俺達に歩み寄ろうとする?普通の人間なら、俺達の事を畏怖、或るいは敵意を持つのが普通だ。なのになぜお前は最初からそんな感情を持たず、普通の人間に接するような態度で俺達に歩み寄る?」
「そんなの、決まっているじゃない!同じ”人”だからよ!人間とか闇夜の眷属とかそんなの関係ないわ!みんな同じ”人”なんだから!」
「「…………………………」」
エステルの答えを聞いたリウイとイリーナは驚いた表情をしていたが
「フッ………」
「フフ………」
やがて2人はそれぞれ口元に笑みを浮かべた。
「??2人とも、どうしたの?あたし、何かおかしなことを言ったかな??」
2人の様子を見たエステルは首を傾げた。
「いや……………幼い頃からそこまでの考えを持っているとは思わなくてな………プリネ達も本当によい友を見つけたも
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