第58話
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〜メンフィル帝国・帝都ミルス・マルーダ城内・客室の一室〜
「ん………………?」
王城の客室の一室のベッドで眠っていたエステルは目を覚まして、起き上がった。
「あら。ようやく起きたようね。」
そこに椅子に座って紅茶を呑みながら本を読み、優雅に過ごしていたレンが気付いて、本を閉じ、紅茶と一緒にテーブルに置いてエステルを見た。
「レン………ここってどこ??」
ベッドから起き上がったエステルは周囲を見て首を傾げた。
「うふふ、ここはマルーダ城の客室の一室よ♪」
「マルーダ城………ハッ!カファルーとの勝負は!?ミントは大丈夫なの!?」
レンの話を聞いて放心していたエステルだったが、慌てた様子で尋ねた。
「うふふ、エステルは慌てんぼうさんね♪ミントはエステルが起きる少し前に起きたわ。」
「よかった………それでミントはどこにいるの?」
レンの説明を聞いたエステルは安堵の溜息を吐いて尋ねた。
「ミントはパーティーに着るドレスを今、選んでいる所よ。多分、もうドレスを着て、パーティーに出ているんじゃないかしら?パーティーはもう始まっているし、エステルの仲間達もみんなパーティーに参加しているわ。」
「そうなんだ……ミントのドレス姿かあ………きっと、凄く綺麗で可愛いんだろうなあ………って!カファルーの件はどうなったの!?」
「クスクス。まだ気付かないの、エステル?右腕を見てみたら?」
「へ?………右腕………?」
レンに指摘されたエステルは首を傾げた後、右腕を見た。
「あれ……こんな腕輪、さっきまで付けてなかったのに………」
「……エヴリーヌお姉様の話ではカファルー?だったかしら。その腕輪が魔神との契約の証なんですって。その腕輪を掲げて契約した魔神の名を呼べば、召喚して使役できるそうよ。……後、その腕輪の魔力によって持ち主に”魔神”の加護を与えるそうよ。……うふふ。それにしてもパパ達、すっごく驚いていたわよ♪あのパパですら『何だと!?』ってすっごく大声を出して驚いていたもの♪」
「そうなんだ……カファルー、あたしの事を認めてくれたんだ………」
レンの説明を聞いたエステルは嬉しそうな表情で腕輪を見続けていた。
「さて……と。やっと、起きたようだし、用意はいいわね?エステル。」
「へ?用意って何の??」
「うふふ、そんなの勿論パーティーに行く心構えに決まっているじゃない♪」
首を傾げているエステルに口元に笑みを浮かべて答えたレンは自分の目の前に置いてあるベルを鳴らした。するとドアにノックの音がした。
「入っていいわよ。」
レンの返事を聞くと数人のメイド達が部屋に入って来た。
「え、えっと……?」
いきなり現
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