第一章〜特務支援課〜 第1話
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て野郎だな。突っ走りがちなエステルちゃんを実に効率的にフォローしてるぜ。戦闘にしても仕事全般にしても息の合い方が尋常じゃねえ。加えて、踏んだ場数の多さだろうな。」
「ということは、わたしたちもまだまだという事ですか……」
ランディの推測を聞いたティオが溜息を吐いたその時その場は沈黙に包まれた。
「ま、まあ……俺達だって十分成長してるさ。この前から、頼りになる助っ人も来てくれていることだし―――……そういや、ツァイトは?」
「今日は見てないわね……昨日は屋上で一日中、日向ぼっこをしてたみたいだけど。」
「魔獣との戦闘になった時に助けてくれるのはいいんだが……いったい、普段は何してんだか。」
仲間達に慰めの言葉をかけたロイドはかつて関わった事件で危ない所を助けてもらい、以後”特務支援課”に居座って”警察犬”として力を貸し続けている狼―――ツァイトがビル内にいない事に気づき、エリィも不思議そうな表情をし、ランディは溜息を吐いた後苦笑した。
「……彼は誇り高いですから。わたしたち人間の決めたルールに縛ろうとしても無意味かと……」
「いや、警察犬として登録してる以上最低限のルールは守って欲しいんだが。しかし最初は、周辺の住民に怖がられるかと思ったけど……」
「まさか車の事故から子供を救っちまうなんてなぁ。」
ティオの推測に呆れた表情で指摘したロイドはランディと共にツァイトがお手柄をたてた事件を思い出した。
「ハンドルを切り損ねてフェンスにぶつかった運搬車……最初、何の音かと思ったわね。」
「それで慌てて外に出たら轢かれそうになってたリュウをツァイトが颯爽と助けてるし……」
「いや、あのアリオスのオッサンと良い勝負の活躍だったんじゃねぇか?」
「……ですね。」
ツァイトの活躍に関して冗談交じりで呟いたランディの意見にティオは静かな表情で頷いた。
「ふふ……あれ以来西通りの人に特に人気ね。リュウ君たちもすごく懐いているみたいだし。」
「はは、そうだな。ま、あんまりツァイトの人気に頼るわけにはいかないし……俺達は俺達で頑張るとするか。」
「……賛成です。」
「そんじゃあ午後からは支援要請を片付けるとすっか。」
「おう、ちょうど昼食が終わったみたいだな。」
昼食を終えたロイド達が端末に来ている”支援要請”を確認しようとしたその時、特務支援課の課長であるセルゲイがビルに入って来た。
「課長。本部での仕事はもう終わったのですか?」
「いや、まだ途中だ。そろそろ追加の人員が来る頃だから一旦中断してこっちに戻って来たところだ。」
「へ……」
「”追加の人員”って……」
「もしかしてこの”特務支援課”に
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