第56話
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り……もう二度とセルノとバルジアが袂を分かれさせるような事はさせません。」
「……お任せ下さい、リン様。リン様もお母様と共に新たな幸せを手に入れる事を心よりお祈りしております。」
金髪のエステルの言葉にグラザとアリアは頷いて答えた。そしてエステルは元の姿に戻った。
「これから与える名はやはり君にとっても相応しい名だな。……エステル・ブライト。”ロード”の称号を与えると同時に”ファラ・サウリン”の名を与える!アリア、グラザ。」
「……はい。」
「ハッ。」
シルヴァンに言われたアリアとグラザは頷いた後、それぞれ凛とした表情でエステルを見た。
(えっと……あたしもツーヤやミントのようにすればいいのよね?)
見られたエステルはツーヤやミントがしたように2人の前で片膝をついて跪き、頭を下げた。
「……セルノ・バルジア統合領主グラザ・ファラ・マーシルンの名において。」
「……その妻、アリア・サウリン・マーシルンの名において。」
グラザとアリアは重々しい口調で言った後、2人同時に言った。
「「貴女をセルノ・バルジア統合領家の一員として認める。」」
そしてまずグラザが髪飾りをエステルの頭の上からかけた。
「……その髪飾りは母上の記憶を受け継いだ君もわかると思うが”ファラ”の名を冠する者だけが付ける事を許される髪飾り。加えてそれは母上――リンが生前付けていた髪飾りだ。……大事にしてくれ。」
「……はい!」
グラザに微笑まれたエステルは頭を上げて頷いた。そしてアリアは持っていた何かの紋章が描かれた外套をエステルに羽織らせ、そして首飾りをかけた。
「……その外套はグラザが渡した髪飾りのようにお母様――ラピスが付けていた外套にセルノ・バルジア統合領家の一員としての証明となる紋章が描かれてあります。そしてその首飾りもまた、その証の一つ。……バルジアの誇り、セルノの優しさと共に生きてね。」
「はい!」
そしてエステルは立ちあがった。
「……”森の守護者”と”聖炎姫”を受け継ぐ少女――エステル・ファラ・サウリン・ブライトに歓迎の祝福を!」
パチパチパチパチパチ………!
シルヴァンの言葉をきっかけにその場にいる全員が大きな拍手をした。
「おめでとうございます、エステルさん!フフ……遊撃士の”ロード”ですから、”ブレイサーロード”とお呼びした方がいいかもしれませんね。」
「お、おめでと〜、お姉ちゃん!」
「フフ……似合っているわよ、エステル!」
「ハハ……旦那が知ったらきっと驚くだろうな。」
「ま、遊撃士としての本分を忘れるなよ。」
(フッ。まさかエステル君がメンフィルから爵位をもらうなんてねぇ…
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