第56話
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……貴女からお母様から感じた独特の気配があったもの。」
「ああ。………まさか母上がラピス様と共に転生したとは思わなかったな。」
戸惑っているエステルにアリアとグラザは微笑んだ。
「………………………フフ。2人とも、相変わらず仲がいいようで何よりね。」
2人に微笑まれたエステルは少しの間黙った後、ラピスの力を解放し、黒髪と翡翠の瞳になって、ラピスの口調で微笑んだ。
「!!」
「え!?お、お母様!?」
黒髪のエステルに微笑まれたグラザは驚き、アリアは信じられない表情で尋ねた。また、周囲の人物達も変貌したエステルを見て驚いた表情をしていた。
「ほう………2人と同化した事によって武術大会で見せた時と違い、自由自在に2人の力を解放できるようになったのか………今のお前は”エステル”か?」
変貌したエステルを見て、感心したような声を出したリフィアは尋ねた。
「うん、勿論”あたし”よ。えっと……驚かせるような事をしてしまってすみません。受け継いだ2人の記憶の中でアリアさん達が今でも仲良くしているか気にしていましたので……」
「フフ……そうだったの。……でも、ありがとう。お母様にまた会えた気分よ。」
「ああ。………やはり君になら私達の名を名乗る資格があるな。」
苦笑しながら謝るエステルにアリアとグラザは微笑んだ。
「あ、後。ラピスとリンからアリアさんとグラザさん、それぞれに伝えたい事があるんですけど、伝えさせて貰ってもいいですか?」
「ええ。ぜひ、お願いするわ。」
「……冥き途へと旅立ち、そして転生した母上達の今の言葉……聞かせてくれ。」
黒髪のエステルに尋ねられたアリアとグラザは頷いてエステルを見た。そしてエステルは深呼吸をした後、ラピスの口調で言った。
「……アリア。時代は常に動き続けるけど……森の恵みを忘れないように……グラザと一緒にこれからもセルノの森を守ってね。グラザ、アリアをこれからもずっと支えてね。」
「……はい。お母様の……”森の守護者”の娘として、お母様が愛した森をずっと守り続けます。」
「……はい、ラピス様。アリアは私がずっと支え続けますのでご安心下さい。」
黒髪のエステルに微笑まれたアリアは微笑んで答え、グラザは頷いた。そしてエステルはリンの力を解放し、金髪と紫紺の瞳になって、凛とした表情でリンの口調で言った。
「……グラザ。ラピスお姉様が……私が望み、ようやく実現したセルノとバルジアの統合が崩れる事がないよう、”ファラ”の名を冠する者の1人としてしっかり見守っておくのだぞ。……アリア。グラザの事をこれからも頼む。」
「……はい、母上。この私グラザ・ファラ・マーシルン、そしてラピス様のご息女であり、我が妻アリアが居る限
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