第55話
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「ああ、いいだろう。我がメンフィルの魔導技術開発部に君がいつでも留学できるようにしておこう。勿論、滞在費等は全て私達メンフィルが負担しよう。……留学をすれば数年………もしくはそれ以上の年月をほとんどメンフィルで暮らす事になるだろう。家族と相談し、魔導技術を学ぶ覚悟できたのならいつでもメンフィル大使館に来るといい。その時に君を案内しよう。」
「はい!ありがとうございます!」
シルヴァンの話を聞いたティータは明るい表情をして、頭を下げた。
「オリビエ・レンハイム。貴殿の望みは何だ?」
ティータから視線をオリビエに代えたシルヴァンはオリビエの正体を知っていた為、何を望むか警戒し、目を細めて尋ねた。
「フッ。そんなのは勿論、決まっています。」
(嫌な予感………)
髪をかきあげて言うオリビエの様子を見て、エステルはジト目でオリビエを睨んだ。
「不世出の天才にして漂泊の演奏家であるこのボクにとっては、貴方達メンフィルが開催するパーティーに”演奏家”として呼んで頂ければ、このボクにとって最高の報酬です♪」
そしてオリビエはいつもの調子で、笑顔で答えた。
(あ、あ、あのスチャラカ演奏家は〜!!こんな時にどうして、あんなふざけた事言っているのよ〜!)
(ま、まあまあ……落ち着いてよ、ママ。)
(少しは分相応の事を言うと期待したあたしがバカだったわね………)
オリビエの望みを聞いたエステルは怒り、ミントはエステルを宥め、シェラザードは疲れた表情で溜息を吐いた。
「………それだけでいいのか?」
「勿論それだけです♪パーティーを開く時はぜひこの”ボク”をお呼び下さい。」
シルヴァンに尋ねられたオリビエは紳士のような動作で恭しく頭を下げて、言った。
「………いいだろう。今夜を除いて、現在予定されているパーティーは数ヵ月後に行われる婚礼の式だから、その時に貴殿を”演奏家”として招待させて頂こう。その時の貴殿の演奏の腕を見て、今後のパーティーにも招待するか決めさせてもらおう。」
「おお……!そのようなパーティーにこのボクを招待して頂くなんて、演奏家として冥利につきます♪最高の演奏をさせて頂きますので、ご安心下さい。……ちなみにどなたの式になるのですか?」
「………その件は後でこの場にいる全員に発表させてもらう。」
「フッ。ならば楽しみに待たさせて頂きます。」
そしてティータとオリビエはエステル達の元まで下がった。
「最後に……遊撃士エステル・ブライト!同じくミント・ブライト!」
「「はい!」」
そしてリフィアに呼ばれたエステルとミントは返事をした後、シルヴァン達の正面に来た…………
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