第54話
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たな……)
「貴方こそ、変わったわね。まさかウィル以外の人間と行動を共にするとはね。」
サエラブの念話にエリザスレインは答えた。
「”永恒”?それってもしかしてサエラブの事……?」
一方エステルはウィルがサエラブにある名で呼んだ事に首を傾げた。
「あれ?永恒、契約もしたのに教えてなかったんだ。」
(……教える機会がなかっただけだ。)
ウィルの疑問にサエラブは気不味そうな様子で答えた。
「えっと……もしよければ、教えてもらってもいいかな?ウィル。」
「そうだね……永恒と契約している君は知っておくべきだね。」
そしてウィルは”サエラブ”という名はあくまで種族名であり、個人として真の名がある事を教えた。
「そうだったんだ………全く。黙っているなんて、水臭いわよ?”永恒”。」
ウィルの説明を聞いたずっと黙っていたサエラブに呆れた後、サエラブの真の名――永恒の名を呼んだ。
(お前と契約した当初はお前を見極めるために黙っていただけだ。だから、そう膨れるな。)
「へえ………」
「驚きましたね……あれだけ誇り高い性格をしているサエラブがウィル以外の人間を認めていたなんて……」
「それだけ、その娘にはウィルみたいに種族に拘らず”人”を引きつける力があるみたいね。(……まさか”運命”を変える力も持っているのかしら?)」
エステルがサエラブの真の名を呼んだ事に怒らないサエラブを見たウィルとセラウィは驚き、エリザスレインは興味ありげな目でエステルを見ていた。
「ウィル。直した剣や改造した剣をエステルに渡さなくていいの?」
「あ、うん。実はリフィアから頼まれて、もうリフィアに渡してあるんだ。なんか自分の手で渡したいらしくて……」
「フーン……」
ウィルの話を聞いたエヴリーヌは相槌を打った。
「え……じゃあ、もしかしてこの棒を作ったり、剣を直してくれたのはウィルだったの!?」
エヴリーヌとウィルの会話を聞いていたエステルは驚いた表情で尋ねた。
「ああ、そうだよ。」
「こいつは驚いたな………俺達とあまり変わらないように見えるのにあれほどの武器を作るなんて………」
「ああ、機会があったらぜひ、俺達の分も作ってくれないか?」
エステルの疑問に答えたウィルをアガットは驚いた表情をしてウィルを見、ジンは頷いた後尋ねた。
「依頼をしてくれたらいつでも作るよ。それが”工匠”だからね。」
「ハア………”工匠”というけど、今の貴方は領主でしょうが………セラウィ。あの戦いが終わってもウィルはずっとこんな感じなのかしら?」
ウィルの言葉を聞いたエリザスレインは呆れた表情で溜息を吐いた後、セラウィを見た。
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