外伝〜奇跡の再会〜
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ふ、言ったでしょう?リベールは新たな故郷だって。故郷を守るのに理由はいらないわ。たとえ、昔の故郷の思い出と戦うことになったとしても。」
「シェラ姉……」
「なあ、シェラザード。最初から答えを決める必要はないと思うぜ。」
寂しげに笑っているシェラザードにジンは声をかけた。
「え……」
ジンの言葉に驚いたシェラザードはジンを見た。
「俺とヴァルターは互いに戦うことを納得している。もう、拳と拳を通じてしかお互い何も伝えられないんだ。だが、お前たちは必ずしもそうと決まったわけじゃあるまい?」
「それは……」
「ジンさんの言う通りだと思う。シェラ姉がどうしたいのか、これから見極めればいいわよ。あたしだって……やっと見つけられたんだし。」
「え……」
エステルの言葉にシェラザードが驚いている中、エステルは決意の表情になって、仲間達に言った。
「ねえ、みんな。こんな時に何だけど……見て欲しいものがあるの。」
「あん……?」
「エステルさん……?」
「エステル、まさか……」
「うん……。これ、雑誌社の人たちにもらった写真なんだけど……」
そしてエステルはドロシーから貰った写真を仲間達に見せた。
「こいつは……空賊艇の奪還事件のブツか。」
「なるほど……こんなものがあったのか。」
「ふむ、左にいるのが武術大会にも出場していた空賊団の娘だな。そして右にいるのが……」
写真を見たアガットは写真を睨み、オリビエは驚き、ジンも驚いた表情で呟き
「あ……」
「ヨ、ヨシュアお兄ちゃん!?」
クロ―ゼが写真の中に写っている人物――ヨシュアを見て呆然とし、ティータが信じられない表情で言った。
「えっと……今まで黙っててゴメン。ちょっと動揺しちゃってなかなか言い出せなくて……実はレンからもらった写真もこの写真と関連するようなものばかりなんだ………」
「お姉ちゃん……」
「エステルさん……」
自分達に謝るエステルをティータとクロ―ゼは心配そうな表情で見ていた。
「ヨシュアが何をするつもりかあたしには分からないけど……。多分、ヨシュアなりの方法で『結社』に迫るつもりだと思う。空賊たちと一緒になって悪さはしないと思うんだけど……」
「ええ、分かっているわ。写真も顔半分が隠れているから決定的な証拠にはならないしね。この情報はギルド内に留めておきましょう。……残りの写真には決定的な証拠が写っているかもしれないけど、渡さなくていいわ。」
辛そうな表情で語るエステルにアイナは言った。
「ありがと、アイナさん。」
「で、でも……エステルさんはいいんですか?せっかくヨシュアさんの手がかりが見つかったのに……」
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