第51話
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オラお姉ちゃん!」
「ふふ、正解よ。執行者No.Y。『幻惑の鈴』ルシオラ。今はそう呼ばれてるけどね。」
エステルの言葉に頷いた女性――『執行者」の1人、ルシオラは妖艶な笑みを浮かべて自分の事を答えた。
「ど、どうして……」
「ふふ、シェラザード。あなたは気付いていたみたいね?」
「鈴を使った幻術……。姉さんの十八番だったから。ロレントで発生した霧も幻術とか言わないでしょうね?」
「ふふ、まさか。あれは今回の実験のため、『ゴスペル』が起こした現象よ。人々の夢に干渉するための触媒といったところかしらね。」
シェラザードに睨まれながら尋ねられたルシオラは口元に笑みを浮かべて説明した。
「触媒……。まさか『ゴスペル』というのは人の精神にも干渉するというの!?」
ルシオラの説明を聞いたシェラザードは信じられない表情である推測をして尋ねた。
「ふふ、そうみたいね。私の鈴はあくまで誘導……。幻術とは比べ物にならないリアルな夢を構築するわ。苦しみも哀しみもないただひたすら幸せな夢をね。」
「チッ……ふざけやがって………」
「「……………………」」
(あれ?あたしは夢とか見なかったんだけど……ラピス達のお陰かな??)
ルシオラの説明を聞いたアガットはルシオラを睨み、クロ―ゼやミントは不安そうな表情になり、エステルは首を傾げていた。
「……くっ……」
「ねえ、ルシオラ……さん。どうして『結社』ってこんな事ばかりするわけ?こんな実験を繰り返して何をしようとしているの?」
シェラザードが唇をかみしめている中、エステルは真剣な表情でルシオラに尋ねた。
「私はただの『執行者』。『使徒』の手足として動くもの。その意味では、今回の計画の手伝いをしているに過ぎないわ。詳しいことは教授とレーヴェに聞きなさい。」
「教授、レーヴェ……。何度か聞いた名前だけどそれっていったい誰なの?」
「時が来れば分かるでしょう。ちなみに2人とも、あなたと面識があると聞いたのだけど。」
「えっ……」
ルシオラの話を聞き、エステルは驚いている中、シェラザードは静かに問いかけた。
「………………………………。……ルシオラ姉さん。これだけは言わせてくれる?」
「あら……何かしら」
「最初、あたしはリベールに長居をするつもりはなかった……。姉さんが帰ってくるまでの間、身を寄せるだけのつもりだった。でも、あれから8年が過ぎた。今の私には、友人や仲間たち、家族同然の人たち、そして誇りに思っている仕事がある。もう……ハーヴェイ一座の踊り子シェラザードじゃない。」
「シェラ姉……」
「………………………………」
シェラザードの言葉にエステルは驚き、ルシオ
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