第51話
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〜ミストヴァルト・セルべの大樹〜
「エステル!しっかりしなさい!」
「ン……」
シェラザードの呼ぶ声に気付いたエステルは目を開けて、起き上がった。
「あれ……シェラ姉……」
「エステル!?よかった……起きてくれたのね!」
「あ……うん……。会いたい人に会えた気がする……!!(そっか……あたし、ラピスとリンと一緒になったんだ……)」
安堵の溜息を吐いているシェラザードに答えたエステルはすぐに眠っていた間に起こった事柄を思い出した。そして気を引き締め、未だ眠っている3人に怒鳴った。
「3人とも!幸せなだけの時間は終わりよ!今の現実に戻ってきて!」
「エ、エステル!?」
エステルの行動にシェラザードは驚いた。そして少ししてから3人はそれぞれ目を開けて、体を起こした。
「あ……エステルさん……」
「そうか……夢に決まってるよな。」
「おはよう〜、ママ!」
エステルの一喝によって起きたクロ―ゼは驚いた表情でエステルを見て、アガットはどこか悲しい雰囲気を纏わせて呟き、ミントは無邪気な笑顔を見せた。
「よかった……みんな目を覚ましたわね。」
「はあ……あんたには驚かされるわ。自力で起きたばかりか他の人まで起こすなんてね。さてと、それはともかく……」
エステルの行動に驚いた後、シェラザードは大樹を睨んで叫んだ!
「いるんでしょ!ルシオラ姉さん!」
「え……」
「ふふ……やっと呼んでくれたわね。」
シェラザードの言葉にエステルが驚いている中、鈴の音が鳴り響き、黒衣の女性がエステル達の目の前に現れた!
「なっ……!?」
「……やっぱり……」
突如現れた黒衣の女性にエステルは驚き、シェラザードは納得した様子で黒衣の女性を睨んだ。
「久しいわね、シェラザード。8年ぶりになるかしら?」
黒衣の女性は懐かしそうな表情を見せて、シェラザードに声をかけた。
「ええ……そうね。まさか姉さんがこんな事をしてるなんて……。いったい、どういう事なの?」
「ちょ、ちょっと待って!この人……シェラ姉の知り合いなの!?」
女性と知り合いのように話すシェラザードに驚いたエステルが尋ねたその時
「ふふ……つれないわね、おチビさん。あなたとも何度か会ってるはずなのだけど。」
「へっ?」
女性の言葉にエステルは首を傾げた。
「一緒にタロット遊びをした幻術師のお姉さんのこと……覚えていないかしら?」
「!!!」
女性の言葉から幼い頃かつてシェラザードが所属していた一座――ハ―ヴェイ一座に行き、そこで出会った人物の事を思い出して、顔色を変えた。
「あ、あそこにいた……。たしか……ルシ
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