第3話 戦慄の人里! 北斗現れる所乱あり!
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良い薬なんかじゃねぇ! あれは毒薬だ! しかも猛毒の類の!」
何気に失礼な発言をする魔理沙であった。
「それにしても見当たりませんねぇ。一体何処に行っちゃったんでしょうか?」
「アリスの話だとこの辺に居るって言ってた筈なんだけどなぁ……何処に居んだぁ?」
アリスの情報を元に大通りを練り歩く四人ではあったが、それらしい人物は見当たらない。更に言えばこの時間では大通りの人の量も相当であり、その中から一人の男を見つけるのは案外大変な事でもあった。
「其処の方、何か困り事でもおありかな?」
「あぁ、ちょっと人を探しててさぁ、あんた知らない……」
どうやら困っているように見えたのだろう。そんな魔理沙達に親切にも声を掛けてくれる優しき男が近づいてきた。
魔理沙はその男の方を見て話しかけようとしたが、その言葉は途端に萎みだしてしまった。
何故なら、彼女達の目の前に立っていたのは明らかにケンシロウと似たような風貌をした男だったからだ。
二頭身の背丈に薄汚れた白い衣服。更に古ぼけたヘアバンドにうっすらと髭が蓄えられた少し体の悪そうな男だ。
「トキ兄さん!」
「ケンシロウ!」
二人は互いを呼び合いながら肩を抱き合い再開を喜んだ。どうやら兄弟仲は良さそうである。
「トキ兄さん。兄さんも幻想郷に来ていたんだね?」
「あぁ、こんな余生短い私を親切にも匿ってくれる優しき人達の元に身を寄せている。今もこうしてその方達の手伝いをしている所なんだ」
そう言ってトキは背負っていた籠をその場に置き、適当に何かを掴むとそれを四人の前に見せて来た。
どうやら薬の類のようである。瓶詰の容器の中に色違いのカプセルが詰められた代物がその手の上にはあった。
「薬の行商をしていたのか?」
「あぁ、今私はとある名医の元に弟子入りしていてな。元々暗殺拳であったこの拳法を人助けに使う。その為に今は医学の勉強中なのだ」
「素晴らしい考えだ兄さん。兄さんならば必ず出来る! 俺は信じているよ」
「有難うケンシロウ。そう言うお前も元気そうゴフッ!!!!」
言葉の途中で突然トキが蹲り、口から大量の血を吐き出してしまった。
地面一帯に真っ赤な血が染み渡る。
「うわっ! このおっさん血を吐いたぜ! 大丈夫かよ?」
「トキ兄さん。やはり病はまだ治ってないのか?」
「あ……あぁ。どうやら師匠でもこの病を治す事は出来なかったらしくてな……だが、心配は要らない。私はまだ死ぬつもりはないからな」
口元にくっついている血を強引に手の甲で拭い取り、折れていた膝を持ち上げて立ち上がる。そんなトキの身を案じているのか心配そうな顔でケンシロウは見つめていた。
「なぁ、名医って事はさぁ、もしかしてこいつ永遠亭に厄
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