第3話 戦慄の人里! 北斗現れる所乱あり!
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以前、自分はこれと似たような現象に出会ったような気がする。そんな気がしていたのだ。
あくまで気がしていただけなのだが。
『もうその辺にしておけ、ハイエナ共』
『あんだとぉ!』
『この荒んだ世界で人の心を忘れず、懸命に今日を生きようとする人々の生き血を啜る腐った悪党共、お前達に今日を生きる資格はない!』
『けっ、何粋がってやがんだ! 構うこたぁねぇ。ぶっ殺しちまえぇ!』
「突然現れた一人の男。そして、その男に襲い掛かる悪党たち。するとどうでしょう! 男は大きくひと蹴り放ち、並みいる悪党たちを吹き飛ばしてしまったのです!」
突然現れた男、そしてさっきまで猛威を振るっていた悪党たちを見事に吹き飛ばす爽快な光景。そんな場面を前にして子供たちのテンションは最高潮に達していた。
『な、何だぁ今の蹴りは? 全然痛くねぇぜ。ふざけてんのかてめぇ?』
『人の心を忘れ、野獣となったお前達に明日は必要ない。お前達はもう……死んでいる』
『何バカな事言ってるんだ!? 今度こそぶち殺して………して……して……しててぇぇぇぇ―――』
「どうしたことでしょうか? 男に蹴られた悪党たちの頭がまるで風船のように膨らんでいくではありませんか! 余りの痛みにもがき苦しむ悪党たち。中には必死に助けを求める奴もいました。ですが、弱気人々を苦しめる悪党たちに差し出す救いの手など何処にもなかったのです」
『いたいいたいいたいいたいいたたたたたたたたたわばぁぁぁ!!』
断末魔の悲鳴と共に爆散する悪党の姿を模した人形たち。悪の滅んだ舞台の中で弱き人々がその男に涙を流して感謝の言葉を言っている。
そんな人々の言葉を背に受け、男は更に荒野を歩いて行く。この荒廃した世界を救う為、弱き人々を救い未来をもたらす為、男は進む。世紀末の世に生まれた救世主として。
「はい、今日の劇はおしまい。面白かった?」
「すっげぇなぁアリス。今の何なんだよ?」
「何でも外の世界のお話しらしいわよ。たまたまその書物が手に入ったんで面白そうだったからちょっと劇にしてみたの。それで、どうだった?」
「いやぁ、面白かったぜ。何時ものメルヘンチックな話しもそうだけど今日の話も中々良かったぜ」
「そうだな、弱き民を救う為に戦い続ける男の生き様に俺は感動した。俺もその男を目標にして生きて行く事を誓う」
「あぁ、やっぱ主人公はあれ位格好良くないといけな……え?」
唐突に間に割り込む声に聞き覚えがあったのか、魔理沙は恐る恐る後ろを向いてみた。
そこにはアリスの劇に感動したのか滝のように涙を流して拍手を送っているケンシロウとその後ろで黙って劇を見ていた霊夢と文の姿があった。
「ぎゃあああああああああ! 何でお前がまた此処に居るんだよぉぉぉぉぉ!」
「む、魔理沙か。また
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