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空気を読まない拳士達が幻想入り
第3話 戦慄の人里! 北斗現れる所乱あり!
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「その人でしたら人里に居る筈ですよ。この時間でしたら大通り辺りに居るでしょうし」
「そうか……霊夢、少しの間留守を頼まれてはくれないか?」
「嫌よ」
「!!!」

 即答、かつ即否定であった。流石のケンシロウもそれには驚きの色を隠せないらしく、目を大きく見開かせて驚愕の顔をしていた。

「だって、その話が本当なら案外面白そうじゃない。丁度暇してたところだから私も一緒に人里に行くわ。駄目と言っても勝手についていくわよ」
「しかし……危険だぞ。相手は俺と同じ北斗神拳の使い手。もし北斗同士の争いとなれば只では済まん事になる」
「だから何? 言っておくけどただの人間位じゃ相手にならないわよ」

 霊夢本人はそう言っているが実際は人間は愚か妖怪や果ては神様が相手でも危ない程だったりする。
 
「あのぉ、それでしたら私もご一緒して良いですか?」
「何よ、あんたもついてくる気?」
「勿論、噂の北斗神拳がどんな代物なのか是非とも記事にしたいんですよ!」
「って言ってるけど……あんたとしてはどうなのよ? ケン」
「俺としては別に構わんが……本当に大丈夫なのか?」

 心底ケンシロウは霊夢と文の二人の身を案じているようだ。幻想郷に来てまだ日が浅いケンシロウにとっては、身寄りのない自分を匿ってくれた此処の住人を傷つける事は出来ればしたくはないのだ。
 まぁ、まともな人間などこの幻想郷には数える位しか居ないのでそんなケンシロウの心配も実際は無駄な心配に終わるのだろうが―――

「大丈夫ですよ。危なくなったら自慢の逃げ足ですたこらさっさと逃げちゃいますから安心して下さい」
「あぁ、私の心配なら無用よ。北斗神拳だか何だか知らないけどそんなの弾幕でどうにかなるし」
「これだけ言っても駄目か……分かった。勝手にしろ」

 流石に折れたらしく、二人の同行を認める形となったケンシロウは、早速店内に戻り霖之助に事の報告をしに行く。
 ケンシロウの話を聞き、霖之助は承諾をしてくれた。これで心置きなく人里へ向かう事が出来る。
 
「さぁて、噂になってる奇跡の男とやらを是非ともカメラに収めましょうみなさん!」
「何であんたが仕切ってるのよ。まぁ、別に良いけどね」
(もし、記事の男が俺の知っている男ならば……俺は会わねばならない。北斗神権伝承者候補の中で最も華麗な技を持つ男……トキ兄さん)

 それぞれの思いを胸に三人は人里へと向かう事になる。因みに、霊夢と文は飛べる為そそくさと空から向かったのだが、ケンシロウは一人それに追いつく速度で走って向かう事となった。
 



     ***




 時刻は真昼を少し過ぎた辺り、既に昼食を終えた人々が往来を練り歩いている。人里で最も多くの人が練り歩く時刻でもある。
 
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