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空気を読まない拳士達が幻想入り
第3話 戦慄の人里! 北斗現れる所乱あり!
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地だな。心が安らぐようだ。まるで、今にも天に登りそうな心地に……」

 言葉の途中でトキは硬直してしまった。そして、トキの口からうっすらと魂の様な物が顔を出して天に昇っていきそうになっているのが見えだす。

「に、兄さん! 気をしっかり持ってくれ! 逝ってはダメだ!」
「あややや! れ、霊夢さん! 早くトキさんの魂を戻してあげてください! 巫女さんなんだからそれ位出来るでしょ?」
「あんたねぇ、巫女を便利屋扱いしないでよ!」
「良いから早く何とかしろよ霊夢! あのトキっておっさんあのままだと死んじまうぞ!」

 途端に慌てだす四人。どうにかしてトキの魂を本体に戻し、事なきを得ようと必死になる。
 心臓マッサージをしたり祈祷を行ったり○の風になってを歌ったり額に『肉』と書いてみたり等々、とにかく様々な事を行ったのであった。

「すまなかったな。危うく魂を天に捧げてしまう所だった」
「あんた本当に大丈夫なの? ケンが随分あんたの事高く買ってるみたいだけど虚弱過ぎじゃないの?」
「ふむ、確かに此処の処吐血の他にも貧血やめまいや冷え性などの病にも悩まされていてな。どうやら私が天に上る日も近いかも知れん。しかし、悔いはない。この美しき世界で骨を埋められるのならば寧ろ本望と言えよう」

 澄んだ瞳で天を見上げながらそうつぶやくトキ。感動の場面なのだが何故か笑いがこみ上げてしまう人は今すぐ感動系のBGMを流しながら読んでください。

「兄さん……」
「ケンシロウ。そのトキにはこの魂をお前に残そう。北斗の宿命を背負い、この幻想郷の救世主となるのだ」
「分かっているとも。この幻想郷に住む人々の明日を守る為にも、俺は北斗神拳伝承者としてこれからも生きて行くつもりだ」

 強く硬く互いの手を握り合うケンシロウとトキ。何とも感動な場面であった。

(いや、どう考えてもケンは救世主って言うよりも元凶になりそうな気がするんだけどなぁ)

 過去に二度も被害にあっている魔理沙はどうやらそんな風には見られなかったようだ。
 まぁ、二度もひどい目に遭ってしまえばそうならざるを得ないだろうが。

「さてと、これからどうするの? 噂の奇跡の男も見つかったみたいだし。丁度お腹も空いてきたから何処かで一休みしない?」
「そうだな。兄さんも一緒に行こう。積もる話もあるし、兄さんが世話になってる人を見てみたいんだ」
「良いとも。ならば食事代は私が出そう。大丈夫だ、師匠から僅かながら金銭を貰っている。安心してくれ」
「え? 奢ってくれるの? 何て素晴らしいお兄さんなのかしら! そうと決まったら早速飯屋へ直行よぉ!」

 途端に霊夢の両目が銭マークになり猪の如く最寄りの飯屋へと駆けこんで行く。
 
「霊夢の奴。相変わらずがめついなぁ」

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