1話
[2]次話
あなたは死にました。これを上げるから転生しなさい。 ――――ある神様の言葉
1
大海原を小船が走っていた。
小船というか、イカダといった方がいい、ちっぽけな船だった。なぜか、風もない穏やかな凪の海にあって、強風を受けているか速度で走っている。小船に座っているのは、3歳ぐらいの子供だった。子供は怒りの表情を浮かべている。
その頭には、海軍の制帽。
強い陽射しが降り注ぐ中で、少年は汗の一つもかいていない。
帽子の下から覗く髪の色は白髪。普通の人間なら日射病になりそうなぐらいの陽射しの中で、特に堪えた様子も少年には見受けられない。
「子供をジャングルに放置するとは、どんな教育方針だ、あの馬鹿親父」
ぶつぶつと子供が言う。
「ああ、平和な生活がしたい。刺激なんてなくていい、穏やかな平常が欲しい」
とても子供が言う言葉ではない。
まあ、それも無理も無いだろう。
夜のジャングルに放置、崖から突き落とす。風船をつけて空に飛ばす。
自由すぎる教育方針の父に文句のひとつやふたつ言いたくなるというものである。
「転生特典が無かったら、即死亡コースだぞこれ。原作主人公はよく生き残れたものだ」
そう。
この少年は転生者である。
転生特典として、とあるシリーズの一方通行の能力を貰って。
食べた悪魔の実は超人系ベクベクの実。
触れたもののベクトルを変更できる、ベクトル人間として転生したのである。
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