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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第一話 始動 ―ゲームスタート―
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っていた煙が風に流されていく。二人とも装束に小さな傷ができたものの健在な姿で、少年と少女が真っすぐ互いを見つめて浮遊していた。両者は互いに一度大きく呼吸すると仕切り直すように武器を構え直し、再び戦いの火蓋を切った。

そんな風に空を縦横無尽に駆け抜けながらお互いに一歩も引かず戦う彼らの力強さと、美しさ。それを見た瞬間に彼女はその世界の虜となり、自分もその世界に行きたい……いや、絶対に行こうと誓ったのだそうだ。



それ以来ネットでの宣伝にも熱心に目を通し、行きやすい範囲のゲームセンターに筐体が置かれることがわかった時には小躍りして喜んだ。……という話を聞いていたので、それはさぞ楽しみだろうと疾風は笑った。

「んじゃ楽しみだな……このまま行くのか?」

「うん。そのつも、り」

「そっか。楽しんで来いよ、小野寺」

 そう言った時、紗那が突然立ち止まった。何事かと振り向いた疾風は、何やら紗那が顔を下に向けてもじもじしていることに気付く。何だ? と首を傾げた疾風に、紗那は俯けていた顔を上げた。

「……あの、よかったら……日向君も一緒、に……どう?」

「……俺?」

 と、さすがに驚いた疾風はポカンとした。今まで色々と話してはいたものの、誘われるとは思っていなかったからだ。そんなリアクションを目にして、紗那は再び顔を真っ赤にして俯きながら小さく続けた。

「……日向君も、ゲーム好きって言ってた、し……あの、でも、無理にとは……」

「……ふ。そうだな、俺も興味あるから……行ってみたい。この後予定がある訳じゃねぇし」

 もそもそ言いつつ指先をちょんちょんつついている紗那を見て、ここまでお誘い受けたら行かない訳にはいかないな、と疾風は笑って頷いた。実際のところ彼も紗那から話を聞いてブレイブデュエルへの興味はあったのだ。その表情と返事を受けて、紗那も嬉しそうにはにかんだ。







「でっか……すげーゲーセン」

 歩くこと数十分、ゲームセンター“ステーションアズール”に到着した疾風は、その巨大さに少々圧倒されていた。……まぁ、それ以上に人ごみの方が凄まじかったのだが。おそらく店にデカデカと下げられている看板の“ブレイブデュエル本日稼働開始!”というフレーズが原因なのだろう。

「んで? その噂のブレイブデュエルってのはあの中ってことか」

「そう。確か最上階って、書いてあったと思、う」

「さすが、情報収集は完璧だな」

「う……変か、な」

 自分だけ舞い上がっているようでおかしいと思われると思ったのか不安げな声色の紗那。が、もちろんそんなことを思って言った訳ではないので疾風は首を振って先を促し、ホッとした様子の紗那と連れだってゲームセンター最上階のブレイブ
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