第九話 戸惑う心その十三
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「弱いものよ」
「だから龍馬もなんだ」
「弱くない人はいないわ」
「じゃあ龍馬も」
「けれどあの子は弱さにね」
自分自身の中にあるそれにというのだ。
「打ち勝てる子よ」
「そうなんだね」
「そして意地悪でもないし逃げたりもしない」
「悪い子じゃないから」
「安心していいわ」
「それじゃあ」
「信じきるって決めたらね」
龍馬、彼をだ。
「頼ってもいいわ」
「龍馬もだね」
「そうするといいわ」
「僕が龍馬を信じられるかだね」
「そういうことね」
「難しいんだね、人を信じることは」
「怖いものだから」
またこう言った優子だった。
「どうしてもね、けれどね」
「その怖さに勝つ」
「弱さにね」
「そうすることが大事なんだね」
「勝たなくてもいいけれど」
それでもというのだ。
「自覚はするのよ」
「自分の中にある弱さを」
「そのことからよ」
こうしたことを言ってだった、そのうえで。
優花は自分の中にある弱さも自覚することになった、身体のことだけでなくそのことについても意識する様になっていた。
第九話 完
2016・2・15
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