9部分:第九章
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なんや」
苦笑いするライターにいつもの村野節を見せていた。そのうえでの言葉だった。
「それを書いたらええ。そういうこっちゃ」
「そうなんですか」
「言うやろ。鬼の目にも涙ってな」
「それは違うんじゃ?」
ライターもライターで村野に合わせて突っ込みを入れる。
「何か別ですよ」
「おっと、そうやったか。まあええ」
だが村野はそれでも別に構わなかった。とりあえず言ってみただけの言葉であったからだ。
「何はともあれ。鬼へのインタビューやな」
「はい、行きましょう」
二人はモーニングを手早く済ませ喫茶店を後にした。米輔の醜態が晒されている新聞の横に丁寧に置かれている別の新聞紙ではその赤鬼が満面の笑みでダイアモンドを回っている写真が一面にあった。鬼は笑顔で野球を楽しんでいるのがわかる写真であった。
鬼の野球 完
2008・12・1
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