第2章:埋もれし過去の産物
第45話「自分を追い詰めて」
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「....っ....。」
ボフッと、僕はリビングのソファに倒れこむ。
一応、シャワーを浴びて着替えているから汗とかの心配はない。
「....なにやってんだろな。僕....。」
シュネーを助けられず、緋雪を自身の手で殺し、挙句の果てに自分を追い詰める。
...本当に、何やってんだか...。
「こんなんじゃ、緋雪に顔向けできないや....。」
自分の不甲斐なさに後悔しつつ、僕はそう呟く。
「...悪いね、リヒトにシャル。...こんな僕に付き合ってもらって。」
〈...正直、見ていられませんでした。...マスターが、今にも壊れてしまいそうで...。〉
〈お嬢様の事で動揺を隠せないのは分かります。...今後は、気を付けてください。〉
デバイス二機の言葉に、僕は苦笑いする。
...本当に、迷惑かけてしまったな...。
「......緋雪....。」
....ただ、愚行に気付けても、この悲しさが消えた訳じゃない。
緋雪の名を空しく呟きながら、僕はそう思った。
「...帰ってたのね。優輝。」
「....椿か。」
ソファの上で仰向けになり、光を遮るように腕を目に当ててると、椿が声を掛けてきた。
「....ごめんな、椿。二人の気持ちも知らずに無理してしまって。」
「っ....!」
僕は椿に謝る。体勢が些か誠意が感じられないが、椿は分かってくれたみたいだ。
「ばっ...!わ、私は、優輝の支えになりたいから、無理してほしくなくて...言ってたっていうか...その....。」
「.......。」
「な、なんでもないわ!...もう、無理はしないでね。」
照れたような声で言ったからか、後半が聞き取れなかった。
...まぁ、椿なりに僕を心配してたんだろうな。
「...ありがとな。椿。...葵にも伝えてやってくれ。」
「っ〜〜!...わ、分かったわ...。」
素直にお礼を言うと、花が出現して椿は顔を赤くした。
「.......。」
...ふと、心が暗くなり、僕は顔を伏せてしまう。
それに、椿はすぐ気付いた。
「...辛いのなら、休んできなさい。」
「....ありがとう。」
椿の言葉に甘えて、僕は自室に戻る。
「......。」
フローリングにマットが敷かれ、隅にベッドがあり、その横に勉強机。傍にテーブルというシンプルな部屋で、置いてあるクッションにもたれながら、僕はボーッとしていた。
「....はぁ....。」
もちろん。ただボーッとしてるだけではない。
...心に空いた虚しさ故に、今あ
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