第2章:埋もれし過去の産物
第45話「自分を追い詰めて」
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.!?」
一言、葵が謝ったかと思うと、首に衝撃が走り、僕の意識は暗転した。
「.....っ...。」
...目が、覚める。
視界に入ってきたのは、いつもの僕の部屋だった。
「...目が覚めたかしら?」
「...椿?」
横から声がかけられ、そちらを振り向くと、不機嫌そうな、それでいて悲しそうな顔をした椿が座っていた。
「僕は....。」
「葵が気絶させてここに連れてきたのよ。...無理してたみたいね。」
椿の視線が一転して咎めるような視線になる。
「...私、言ったはずよ。“無理はしないで”って。」
「......。」
「どうして、無理しているの?...ううん、無理をして、何になるっていうの?」
椿の言葉に僕はなにも言い返せず、続けて椿は言い直しながらもそう言った。
「...強くなるためだよ。もう、緋雪のような結末を見たくないから。」
「....だから、無理をしている、と?」
「そうだよ。」
僕がきっぱりそう言うと、椿は何か考え込んでしまう。
「......とにかく、下に降りなさい。夕食は私達で用意しておいたわ。」
「...ありがとう。」
しばらくして、椿はそう言った。
何を考えていたのかは分からないけど、とりあえず夕食にするようだ。
「....改めて言うわ。...無理しないで。」
「......。」
夕食を食べ終わり、今度は葵も交えて話し合う事になった。
「今の優輝はただでさえ壊れかけてるわ。それなのに、無理をしたら...。」
「でも、強くなるには...。」
そう言おうとした瞬間、僕の頬スレスレを葵のレイピアが通り過ぎる。
「...ほら、今のも反応できなかった。」
「っ....。」
そう、今の攻撃は過去に行く前の僕でも対応できた。
けど、さっきのは反応が遅れてしまっていた。
「あたしが優ちゃんを気絶させた時も、本来なら防げたはずだよ。」
「...それほどまでに、貴方の体は傷ついている。...自覚して。」
心配に...本当に心配して二人は僕にそう言う。...だけどね。
「...それがどうした。...無理でもしなきゃ、また緋雪と同じような事が...。」
緋雪の時は、無理をしても助けられなかったんだ。
なら、この程度で音を上げてられない...!
「っ、いい加減にしなさい!!」
「ぐっ....!?」
そう言った瞬間、椿は僕の頬を叩いて部屋へと去ってしまった。
「かやちゃん!....優ちゃんも、一度頭を冷やして良く考えて。」
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