暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第45話「自分を追い詰めて」
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なかったな...。

「....ねぇ、優輝。」

「ん?何かな?」

「....どうして、()()()のお弁当を作ってるの?」

「っ...!」

  ...料理をする手が止まった。
  ......その手元には、僕がいつも使う青色の弁当箱と....緋雪の赤い弁当箱があった。

「あー...いつもの癖かな...。どうしよう...。」

「...私達の昼食の足しにでもするわ。」

  とりあえず、作った分は冷蔵庫にでも入れておくか。

「....優輝...。」

「退院したばっかりで気が抜けてるのかな?」

  心配そうな椿の声に被せるように、僕はそう言う。

「...無理は、しないでね。」

「......。」

  椿の言葉に、僕は何も言い返せなかった。





「(...リハビリ程度の運動に留めておくか。...今は。)」

  学校が終わり、下校に就きながら僕はそう思っていた。
  ...ちなみに、学校では僕を気遣ってか腫れ物を扱うような態度を皆に取られた。

「(...強く...ならなきゃ...。)」

  僕が至らなかったせいで緋雪は死んだ。
  だから、二度とそんな事を繰り返さないためにも、僕は強くなる...!







「はっ!ふっ..!っぐ..!?...はぁっ!」

  休日、山の中。
  体の痛みも多少の動きでは感じなくなり、僕は木刀で素振りをしていた。

「(もっと...!もっと早く、鋭く...!)」

  多少程度の動きではないため、体に痛みが走るが、無視して木刀を振り続ける。

「ぐ...く...ぁっ!っ、はっ!」

  足元が覚束なくなる。無理をしているからだろう。
  ...だからって、この程度では終われない...!

「ぁあっ!っ、はぁっ!!」

  剣先がぶれる。もっと、もっと鋭くだ!
  これじゃぁ...この程度では!

     ―――カァアン!!

「...っ。」

「...そこまでだよ。優ちゃん。」

  振り下ろした木刀が、レイピアで止められる。
  見れば、葵がそこにいた。

「山菜を取りに来たと思えば、まさかそんな事をしてたなんてね。」

「...葵だけか?」

「...かやちゃんとは別行動だよ。」

  葵の言うとおり、椿の気配はしないので、別行動らしい。

「止めないでくれ、葵。」

「ダメだよ。これ以上は、優ちゃんの体が壊れちゃう。」

  いつもはふざけている葵の声は、真剣そのものだった。

「...それがどうした...僕は、強くならなきゃ...!」

「っ...ごめんね。」

「え?ガッ..
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ