暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第27話 「騒がしくても」
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ろうが。
「で、どうしたんだ?」
「えっと、その……ディアーチェがついさっきお菓子作りはショウさんの方が上だって言ってたじゃないですか。もちろんわたしもショウさんのお菓子は食べたことがあるので味は知っていますし……だから……その」
「今度また食べたいってか?」
俺の問いかけにユーリは顔を真っ赤にしながら頷く。
俺達の年齢でもお菓子がほしいだとか誰かにせがむことはあるのだから顔を赤くするほど恥ずかしいことではないと思うが、まあユーリの性格的には仕方がないことなのかもしれない。
それに……年頃の女の子とは言えない年齢だが、ユーリは同年代よりも早熟だろうし、年上に囲まれて生活しているだけあって考え方にも影響を受けやすいだろう。たくさん食べる子だって思われたくない、くらいには考えてもおかしくないな。
「時間があればいつでも作ってやるよ」
「本当ですか? えへへ、ありがとうございます。じゃあ……その今度ショウさんの家に行ってもいいですか?」
家に来てもらった方が逆算して作りやすいし、また今の季節的に安全性は高くなる。
しかし、ユーリは体が丈夫ではない方なのであまり外を歩かせたくない。春や秋といった過ごしやすい時期ならまだ良いのだが現在はあいにくの夏なのだから。
「来るのは良いけど炎天下の中を歩かせるのは心配だから俺が持ってきてやるよ」
「そうですか……」
「そんなにしょんぼりするなって……じゃあ来るのはいい。でもそのときは誰かと一緒に来ること。ひとりで来て体調が悪くなったら大変だからな」
頭を撫でながら言うとユーリは笑顔を浮かべながら肯定の意志を返してきた。少し恥ずかしいのか顔に赤みがあるのがまた可愛らしい。……数年後、シュテルやはやて、アリシアといった人物に影響を受けて純粋さがなくなってしまうんじゃないかと思うと何とも言えない気持ちもなるが。
「あ、ユーリだけずるい。ボクも撫でてよ!」
「お姉さんにもたまにはそういうことしてくれてもいいのよん。もちろん、お姉ちゃんにもね」
「なっ!? キ、キリエ、あなたは何を言ってるんですか。わわ私はそんなこと……風紀的によろしくないです!」
「仕方ありませんね、ここは私が行くとしましょう」
「ちょっと待ってシュテル、真剣な顔で何言ってるの!?」
「やれやれ……こうなるとは思っておったが、やはり騒がしい連中よ」
「でも嫌いじゃないだろ?」
「嫌いじゃないですよね?」
「ふたりして聞くでない! ……まあ元気がないよりはマシなのは認めるが」
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