暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第27話 「騒がしくても」
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に出す食事くらいの意識でしか作ってなかったから。
 人に振舞うという意識でやればもう少し良いものは作れるだろうが、そういう機会に立ち会ったとしてもディアーチェやはやてに任せる方が賢明だろうしな。

「別に慌ててフォローを入れる必要はないぞ。俺もディアーチェの料理の方が美味しいと思うし」
「ふん……まあ我としても幼い頃からやってきたのだから料理には多少の自信がある。しかし、菓子作りに関しては貴様の方が上だ。貴様が本気で取り組んだら我よりも上になるのではないか?」
「いや、それはないだろう。何かしらきっかけがあるなら別だろうが、現状じゃ今以上に熱を込めて料理することはないだろうし」

 正月だとかクリスマスだとかイベントがある日は普段よりは気合を入れて作るだろうけど、それ以外だと食べられればいいくらいにしか思ってないからな。
 そもそも、俺は昔からイベントがある日はディアーチェ達などと一緒に食事をすることが多いかった。故に今以上に料理に対する熱量が上がるとは思えない。手伝いはするので技量的には少しずつは上達しそうではあるが。

「やれやれ、せっかく同年代よりも腕があるというのに向上心のない人ですね。まあ料理に目覚めてデュエリストとして落ちぶれられる方が困りますが」
「あはは、シュテルとはまだデュエルしたことないけど今の発言からして根っからのデュエリストだね。僕もデュエリストになったんだから忘れないでほしいけど」
「別に忘れてはいませんし、忘れるつもりもありませんよ。ユウキのゲームへの適応力はこの中でも群を抜いて高いのですから。お望みとあれば、今から1戦交えますが?」

 シュテルさんシュテルさん、今からって部分は冗談なんだろうけどそんなに真剣な顔をしてたら相手は冗談だって思わないからね。冗談と思われないように冗談を言ってるんだろうけど、付き合いが短かったり久しぶりに会って人間はそれを理解しにくいだろうからせめて冗談のランクを下げてやろうよ。
 と心の隅の方で思いつつディアーチェの料理を口に運んでいると、不意に服を引っ張られた。力が働いた場所が低い位置なのでおそらくユーリだろう。

「どうしたユーリ?」
「え……ショウさん凄いです、何で見てないのにわたしだって分かったんですか?」
「他のメンツだったら服を引っ張ったりはあまりしなさそうだし、引っ張ったとしてもユーリほど低い位置を掴まないだろうから」
「むぅ……わたしだってこれからですよ」

 年齢的に誰よりも身長が低くてもおかしくないのに頬を膨らませるあたり、ユーリも色々と気にするようになってきているようだ。
 まあ謝罪に近い形でこれからということを肯定しながら頭を撫でてやると、途端に機嫌が良くなるあたりまだ年頃の女のことは言えないのだ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ