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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第27話 「騒がしくても」
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「如何わしい真似をしたつもりは断じてない」
「本当に?」
「本当に」

 何でここまで疑われなければならないのだろうか。この前は高町達と親しくしていることを言っただけでロリコンだとか疑われたし、今は今で昔から付き合いがある相手との付き合い方について疑われている。
 俺が過去にシュテルに対して……いや異性に対して何かしてしまったのならば疑われても仕方がない。胸を触っただとか、お尻に触れただとか罪を犯した男が疑われるのは当然のことなのだから。
 しかし、俺の記憶が正しければそのような出来事はないはずだ。頭に軽く触れたり撫でたりすることはあるが、それはある程度親しくなった相手にしかしていないし、して怒られるようなことでもあるまい。ディアーチェのようなタイプだと照れ隠しに怒鳴る気はするが。

「シュテル、実際のところどうなの?」
「信用する気ゼロだな」
「信用してないわけじゃないよ、確認をしてるだけ。さあシュテル、本当のこと言っちゃって。別に怒ったりしないから」

 嘘を言うな。お前、グランツ研究所では言わないにしても絶対家に帰ってから何か言うつもりだろ。発せられてる雰囲気からして「答えによってはあとでお話だね」って伝わってくるし。頼むシュテル、ただでさえユウキの歓迎会が平穏に進むとは思えないんだから厄介事を増やすようなことは言わないでくれ。

「実際のところ……別に如何わしい事をされた覚えはありませんよ」
「本当に?」
「はい、大体彼にそのような度胸があるならこれまでに恋人のひとりくらい出来ていますよ。ちなみにこれは私個人の意見なのですが……ユウキ、あまりしつこいと嫌われるとまでは言いませんが面倒だとは思われますよ」
「それは……そうだけど。……って、からかい癖のあるシュテルから面倒だとか言われたくないよ!」

 ユウキの言葉は至極最もであるが、シュテルは先ほどまでとは打って変わってぼんやりとした顔で聞き流しているようだ。
 シュテルはどちらかといえば口数が少ない方なので話し疲れたのかもしれないが、会話が一段落してもいないのにやってしまうあたり、何ともマイペースというか気まぐれな性格をしていると言えるだろう。こういう性格だから猫には好かれるのかもしれないが。
 中身があるとは決して言えないであろう会話を続けている内に気が付けば目的の部屋の前まで到着した。きっとこの奥にはディアーチェが作り出した極上の料理が並んでいるに違いない。俺も料理は人並みに出来はするが、人並みに出来るが故に彼女には敵わないと思ってしまう。

「ん? ようやく来……」
「おっそーい!」

 ディアーチェの言葉を遮ったのは言うまでもなくレヴィである。極上の料理を前にして俺達が来るのを待っていただけに気持
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