第49話
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てきた鈴の音……。待ち伏せしていた霧の魔獣、そして鍵のかかった正面玄関……。ギリギリのタイミングでお前さんたちが間に合わないよう計算された感じだな。」
アイナの言葉を補足するようにジンが説明した。
「た、ただの偶然じゃないの?」
「いや、昏睡事件を考えても『黒衣の女』はかなり巧妙だ。キミ達が護衛する人々をわざわざ先回りして眠らせた………フフ、ひょっとして挑発してるのかもしれないね。」
「う、うーん……。『黒衣の女』と言われても心当たりは全然ないし……。挑発される覚えはなんだけど。」
「………………………………」
オリビエの推測にエステルは考え込み、シェラザードは浮かない表情で黙っていた。
「ふう、ただいま戻りました。」
その時、ロレント常駐の遊撃士――リッジがギルドに入って来た。
「あれ、リッジさん?」
「そういえば護衛で王都まで行ってたのよね。」
「ええ、朝早くに向こうを出てやっと戻って来られましたよ。それにしても……いったい何があったんですか?霧の範囲は広がってるわ、街を兵士が巡回しているわ……」
「実は昨日の夕方頃から色々大変なことが起こってね。」
状況を理解できていないリッジにアイナは事情を説明した。
「うわ……そんなことになってたんですか。マズイ時に出かけちゃったなぁ。」
「ううん、気にしないでよ。定期船が止まっている以上、護衛だって大切な仕事なんだし。」
「あたし達が、そういう仕事を請けている余裕はないからね。フォローしてくれて助かるわ。」
「そうだよ!リッジさんのお陰で、ミント達は今の状態を調べられるんだから!」
事情を聞き、気不味そうな表情をしているリッジにエステルとシェラザード、ミントはフォローの言葉をかけた。
「こ、光栄です。そういえば……その『鈴の音』なんですけど。それって霧の向こうから聞こえてくるんですよね?」
「ええ、そうよ。」
「何のために鳴らしているのかはっきりしてないんだけどね。」
「そうか……」
「何か心当たりでもあるの?」
エステル達の話を聞き、考え込んでいるリッジを見て、アイナは尋ねた。
「さっき、エリーズ街道を通っていた時なんですけど……。かすかに鈴の音を聞いたんです。」
「あ、あんですって!?」
「ええええええ〜!?」
「エリーズ街道のどのあたりで聞こえたの?」
リッジの話を聞いたエステルとミントは驚き、シェラザードは血相を変えて尋ねた。
「え、えっと……。グリューネ門から出てわりとすぐだったから……。ミストヴァルトの方ですね」
「ミストヴァルト……」
「たしかロレント地方の南東に広がる森だったな」
「
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