第48話
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そしてエステル達はティオ達の介抱をケビンに任せ、エステル達がロレントに向かったその頃、プリネ達はクロスベルからグランセルに戻り、ロレントへ行く定期船が濃霧の影響でない為、徒歩でメンフィル大使館に向かっていた。
〜エリーズ街道〜
「それにしても凄い霧だね、プリネちゃん。」
街道をプリネ達と共に魔槍に乗って、進んでいたリタは街道の分岐点でプリネに話しかけた。
「ええ。約10年こちらに住んでいますが、今までこんな霧がかかった事はないのですが………」
「私も大使館に務めて数年ロレントに住んでいますが、こんなに濃い霧、見た事ないです……」
リタの疑問にプリネは答え、イリーナは不安そうな表情でプリネの言葉に頷いた。
「マスター。どうしましょうか?このような状態で先に進むのは危険と思うのですが……」
「………そうね。念の為にお父様達にこの事を知らせて、一個小隊ほど連れて来てもらって、護衛してもらいながら大使館に戻るのが安全だと思うのだけど………問題は誰がこの濃い霧の中、お父様達に知らせるか……ね。」
ツーヤに尋ねられたプリネは提案をした後、考え込んだ。
「あの……じゃあ、あたしが知らせに行ってもいいです?」
「ツーヤが?大丈夫?」
「はい。だってあたしはマスターの侍女であると同時に”騎士”ですから、これぐらい簡単にこなして見せます。」
「フフ、そう。じゃあ、お願いしてもいいかしら?」
「はい。じゃあ、行ってきます!」
「あ、じゃあ私も一緒に行くね。」
そしてツーヤとリタは濃霧の中に消え、大使館に向かった。
「フフ……成長してから本当に頼もしくなったわね。」
「はい。まさかこんなに早く追い越されるとは思いませんでした………私もまだまだな証拠ですね。」
プリネの呟きにイリーナは苦笑しながら答えた。
「……もしかして、もうすぐ身分や私達マーシルン家に縁ある名を与えられるあの子に嫉妬しているのですか?」
「いいえ。……ツーヤちゃんの頑張りを誰よりも見て来たのはツーヤちゃんを教えていたこの私です。そのような事、思った事もありません。」
「そう。……本当は黙っているつもりだったけど、イリーナさん。貴女にもツーヤと同じくもうすぐ身分と名を与えられるのですよ?」
「え。………わ、私がですか!?どうして……!」
プリネの話を聞いたイリーナは驚いて尋ねた。
「どうしても何も、イリーナさんは普通の人の数倍、努力していたんですもの。努力する人には当然の評価があって当然でしょう?」
「そ、そんな……私なんかが恐れ多いです………けど、嬉しいです……!その……私、ついに正式なプリネ様専属の侍女になれ
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